小説・漫画好きの感想ブログ

小説・漫画好きの感想ブログ

「マラザン斃れし者の書1 碧空の城砦」  スティーヴン・エリクソン著 感想

全米ベストセラー、世界の読者が熱狂――〈氷と炎の歌〉に並ぶ、心えぐる歴史群像ファンタジイ《マラザン斃れし者の書》がついに日本上陸!【全3巻・毎月刊行】

女帝ラシーンが帝位に就いてから七年。以来マラザン帝国は多くの自由都市に侵攻し、大陸をまたぎ、海を越えて版図を拡大してきた。そして侵攻作戦がジェナバキス大陸に及んだ今、若き貴族将校パランは、秘められた魔道の力を知ることになる……空中要塞や異種属との攻防、兵士たちの野望と葛藤、そして渦巻く神々の思惑――猛り狂う運命の波濤を荘厳かつ凄惨に描き、現代最高との呼び声も高いファンタジイ群像劇、遂に開幕!



 プロ野球の試合に熱中しすぎておりまして、送信がばぐったみたいで引用は残れども自分の紹介文は綺麗に飛んでしまいました。こんなこともあるのですね。(しかーし、23時20分にもなっているのに、阪神vs中日戦はいまだに試合中なのです。試合終わったらやりたいことあるのになぁ。全選手が登場で、代打すら出せない試合展開になっています。凄いと言えば凄い試合です)
 さて。
 本作は、海外ファンタジー小説の中ではひさびさにヒットになる可能偉大の作品です。最近のファンタジーの煽り文句にマーティンの「氷と炎の歌」が使われるのは一昔前の「ハリー・ポッター」と同じであまり意味がないわわけですが、読んでみると確かに骨太だし、壮大なスケールの物語になっていきそうな気配があり、先が楽しみな物語です。
 人間だけでなく、昆虫のような種族、巨人族、魔界の血を引いたような種族、半人半妖のような種族が入り乱れての国盗り合戦と、そういう世界のごくごく近しいところでうろつく神様たちという正統ファンタジーの道具立て。にも関わらず、それを用いつつも、日本のRPGゲームやライトファンタジーのような説明過剰にならない(というよりはむしろ説明がたりないくらいの不親切といっていいくらいの背景説明の薄さ)ように、説明はぎりぎりのところまでそぎ落としているところがなかなか趣き深いです。それぞれの者がそれぞれの思惑や意志、計画をもって動いているところや、その動きの中にさらりと殺人なども含まれてしまうところに、大人向けな物語の気配が漂いますし、次巻を読んだらあっさり大コケという可能性が皆無とはいいませんが、かなり期待していいのではないかと思う作品です。
 毎月一巻ずつ発売。来月は8月10日発売ということなので、でたら早速次の巻も読んでみようと思います。

碧空の城砦1 (マラザン斃れし者の書)

碧空の城砦1 (マラザン斃れし者の書)