小説・漫画好きの感想ブログ

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「ルナハイツ」全4巻 星里もちる

 まとめて一気読みしました。
 結婚資金を貯める為に爪に火をともすような生活をしていた製紙メイカーのサラリーマン、南條隼人。彼は婚約者との幸せな結婚を夢見て、マイホームを購入し、結婚式を予約しその手配を大々的にして、幸せ絶頂の筈だった。それが、初めて新居に入るという日に、婚約者の友美から「一緒にもう住めない。だから家にも入れない」と電話で電撃的に別れを告げられる。幸せな新婚生活を夢見て建てた3階立ての家は無駄に広いだけのがらんとした寂しさだけを際立たせるものになってしまった。
 しかし、ひょんなきっかけから、その家を半分女子寮にしてしまうという無茶苦茶な話が転がり込んできて、いつの間にやら、隼人は4人の女性と同棲生活を営むことになってしまった。。。
 というようなシチュエーションコメディ的なところから始まるこのお話も、星里さんお得意の「他人との同居」をテーマにしたドタバタから始まって、そして徐々に恋のある生活ドラマになっていきます。さすがにうまくて一気に読み返してしまいました。途中ふやふやにしか覚えていないとこもあったので余計に楽しめました。
 ちょっとずつ、失恋というか婚約者に逃げられるという最悪の痛手からも回復して人を再び好きになっていく主人公、隼人。彼を見ているとそのまっすぐさが、意固地なとこも含めてまぶしいです。自分ならああもまっすぐにはなれないだろうなと思いますし、あれこれぐちぐちと対人関係に置いては「接し方がわからない」と逃げ腰になるだろうけれど、彼はまぁ色々と迷いはするもののまっすぐにいきますし、過去とも正面からぶつかります。別作品の「結婚しようよ」の主人公も同じようなタイプでしたが、あちらはあちらで主人公にも非があるしふらふらしていたけれど、こちらの隼人はすごく真っすぐで愛情深いです。どうして、婚約者が彼を裏切ったかというのも、そんな彼だから説得力がなくみえるくらいです。
 彼と一緒に住む女性陣もものすごく個性的な人たち揃い。やがて恋人になるまどりは商品開発課所属の女性で、人との距離感がうまくつかめない。対人距離が近すぎて異性にドキドキする感覚がわからない。りんは、ネットオークションオタクの、ちょっと思い込みの激しい女の子。裕子さんは、秘書課所属で、上司と不倫している姉御的な女性。重子さんはほとんど喋らないが、実は一番の秘密を抱えている女性。こんな女性達とのドタバタなので、楽しいドラマに作品が仕上がっています。 
 あ、ドラマといえば、知らなかったんですが、安田美沙子主演で映画化もされているようです。
見ていないのでそちらの出来はわかりませんが、漫画は面白かったです。

ルナハイツ 1 (ビッグコミックス)

ルナハイツ 1 (ビッグコミックス)

 さーて、このあとはお風呂で「ジョジョの奇妙な冒険 スティール・ボール・ラン」の16巻を読みましょう。ディオさんはどうなったのかな。楽しみ。