小説・漫画好きの感想ブログ

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書評

「フランケンシュタイン 野望」 ディーン・クーンツ著 感想 

本年51冊目の紹介本です。 タイトル通り、フランケンシュタインを軸にした物語なんですが、、、、たぶん皆さんが思うようなゴシックホラー色の強い本ではありません。フランケンシュタインを作ったヴィクター・ヘリオスのマッドサイエンティストぶりが前面に…

「中国の言い分 なぜそこまで強気になるのか? 」 鈴木秀明著 感想

本年41冊目の紹介本です。 「中国の言い分」というサーチナ編集主幹の人の本です。 最近なにかと日本と摩擦の多い中国。その中国の主張は、尖閣諸島の問題にせよ、体操選手などの年齢詐称問題にせよ、レアアース問題にせよ、ノーベル平和賞を与えられた劉暁…

「よるくも」1巻 漆原ミチ著 感想 

本年36冊目の紹介本です。 かなりダークな世界観をもったコミックです。初読みの作家さん、初読みの漫画でしたがなかなか面白く継続を決めた作品です。 この作品世界の中には、上・中・下の世界があります。 上は、富める者たちが住む「街」。中は、貧しい者…

「晩鐘 続・泣きの銀次」 宇江佐真理著 感想 

今年27冊目の紹介本です。 紹介していない本がひたすらドンドン溜まっているので、本のレビューや紹介を少し立て続けにいきますね。 これは、歴史物で傑作が多い宇江佐真理さんの作品の中でも人気がたかい「泣きの銀次」という作品の続編です。「泣きの銀次…

「ラーメン発見伝」 久部縁郎・河合単著 感想

今年26冊目の紹介本になります。 ちょっと古い漫画になりますので、まとめて一冊扱いにします。 タイトル通りに、ラーメンについてのグルメ漫画です。普通のラーメン漫画とは違って、主人公はいずれ自分自身でラーメン屋をやりたいと思いながらも、サラリー…

「雑文集」 村上春樹著 感想

本年28冊目の紹介本です。 昨年は「1Q84」の大ヒット、そして年末の松山ケンイチによる「ノルウェイの森」の映画化で大いに話題をさらった村上春樹さんの最新刊です。 村上春樹さんは、自分にとっての文芸的アイドルのトップにおられる方なので、なかなか客…

「折れた竜骨」 米澤穂信著 感想 

本年25冊目の紹介本です。 ひたすら本紹介がたまっていっていますが、仕事が一段落するまではちょっと紹介ペースが落ちていきそうでございます。 なんつーか、とにかく忙しいのです。 さて。 「折れた竜骨」米澤穂信さんのミステリ作品です。 といっても、い…

「無限の住人」27巻 沙村広明著 感想

本年21冊目の紹介本です。 もうかなり長寿漫画になった「無限の住人」最新刊、27巻です。今巻は、体内に蟲を入れられ不老不死の身体になった主人公・万次と、実の父母を逸刀流に殺されその統首の殺害を依頼している凜の旅については、物語からフェードアウト…

村上春樹「雑文集」発売決定 

村上春樹さんの新作、といっても小説でないのが残念ですが、が出ます。 今月の月末の31日発売だそうで、イスラエルでのスピーチも入ったこの本は、とても楽しみです。 「ノルウェイの森」の映画には正直がっかりでしたけれど、「神のこどもたちはみな踊る」…

「天使の牙から」 ジョナサン・キャロル著 感想 

本年20冊目の紹介本です。 もはや、ダークファンタジーの大御所といってもいいジョナサン・キャロル氏の作品の再読です。 この作品は、彼が死に神をモチーフにして描いた作品で、主人公と死に神たちとの命をかけたやりとりや駆け引きがなかなかスリリングで…

「もえない」 森博嗣著 感想

本年17冊目の紹介本です。 森博嗣のノンシリーズ作品。 高校生の淵田を主人公にした青春ミステリ。 ある日、淵田と同じ高校に通う杉山が山で遭難して死亡した。本当に遭難死なのか、それとも自殺なのかはハッキリしないままに葬儀が執り行われ、淵田もそれに…

「御宿かわせみ17 雨月」平岩弓枝著 感想 

本年16冊目の紹介本です。 御宿かわせみシリーズの17巻です。いつにもまして、哀切のある連作短編で御宿かわせみの時間はすすんでゆきます。小さな頃に火事にあって、家と両親を失った異母兄弟が生き別れになって数十年後の奇妙な際会を描いた表題作の「雨月…

「姥捨ノ郷-居眠り磐音江戸双紙35巻」 佐伯泰英著 感想 

本年15冊目の紹介本です。 一昨年あたりから大ブームとなっている佐伯泰英氏の代表シリーズの「居眠り磐音」シリーズの書き下ろし最新刊です。 前巻では、田沼意次の魔手を逃れ、江戸から尾張名古屋へと居を移した磐音とその妻おこん。尾張は御三家の一つ尾…

「もしもし、運命の人ですか?」 穂村弘著 感想

今年11冊目の紹介本です。 初読みの穂村弘さんのエッセイです。歌人として有名な方ですが、自分にとっては初読みの方です。色々なところでも取り上げられていますし、自分の昔の彼女さんがよく読書日記に挙げられているので、気にはなっていたんだけれどズル…

「こんな日本でよかったね 構造主義的日本論」 内田樹著 感想   

本年8冊目の紹介本です。 内田さんのエッセイ的な本で、構造主義をキーに話を始めていますが、あれこれと話は拡散していっているのでまとまりとしてはさきに紹介した「下流志向」や「街場のアメリカ論」と比べると、まとまりとしてのインパクトは今ひとつと…

「できるかなクアトロ」 西原理恵子著 感想 

本年7作目の紹介本。 西原理恵子さんの体当たり体験レポート第四弾です。 たぶん、この本のヒジュラの話、どこかで見たような気がするんですが、後半のお話はまったく覚えがない、、、、なんとも謎です。さて。内容のほうは例によって例のごとくサイバラさん…

「王様の仕立て屋〜サルトフィニート〜」29巻 大河原遁著 感想 

本年6冊目の紹介本です。 王様の仕立て屋。三年半ほど前にこのブログを立ち上げたときに最初に紹介したのが確かこの漫画だったのですが、予想より遙かに長期連載になっております。世の中に蘊蓄漫画はたくさんあれど、飲食グルメ系以外での蘊蓄漫画でここま…

「SPEC III」 西荻弓絵, 豊田美加著 感想 

本年4作目の紹介本です。 去年一番推していたドラマ「SPEC」のノベライズ版です。7話から10話ぶんまで収録です。 色々と推測可能なラストシーンなどについてどんな風な処理がされているんだろうかと手に取ってみましたが、肝心のシーンについては特段記述が…

「オッド・トーマスの予知夢」 ディーン・クーンツ著 感想 

「オッド・トーマスの霊感」から始まった、一話読み切り型のオッド・トーマスものの第四巻目。ただし、本国アメリカでもこの四巻で発刊は止まっているらしく、再開するのかどうかは未定となっている模様だとか。これはファンにとっては、非常にやきもきする…

「御宿かわせみ16 八丁堀の湯屋」平岩弓枝著 感想 

本年度5冊目の紹介本です。 といっても、いまだに新年年明けに読んだ本には全く辿り着けないのですが、少しずつ近づいてみたいと思います。ちなみに今読んでいるのは、イアン・ランキンのジョン・リーバス警部補シリーズの最終巻「最後の音楽」という作品で…

「バーテンダー 18巻」 長友 健篩 著, 城 アラキ 画 感想 

本年二作目の紹介本です。 これも昨年末に出ていたコミックで、「バーテンダー」最新刊です。ちなみにこの「バーテンダー」は、この2月からテレビ朝日系列で、嵐の相葉雅紀さん主演で金曜深夜枠でドラマ化されます。原作のテイストを考えると、主人公のどこ…

「ねむり」村上春樹著 カット・メンシック画 感想 

今年一冊目の紹介本です。 読んだのは年末のほうで、かなりアップしていないのが溜まってきたのでじわじわとまた紹介していきたいと思います。で、今年は、下のほうでご意見をいただいたこともあり、わりとじっくりめに書き急がないで紹介していきたいなと思…

「純潔のマリア」 1巻 石川雅之著 

「もやしもん」がアニメに続いて実写ドラマ化でもりあがる石川雅之さんの最新刊です。 時は百年戦争の頃のフランスとイングランドが激しくぶつかりあうとある一地方、魔女のマリアは「戦争嫌い」の魔女として、部下のインキュバスを使い戦争を抑止し続けてい…

「ワーキング・ホリデー」 坂木司著 

今年47冊目の御紹介本。 引きこもり探偵シリーズの「青空の卵」などで知られる坂木司さんの文庫最新刊です。 坂木さんの持ち味は、基本的に善人で心暖かい主人公の紡ぎ出す暖かな気持ち溢れる語り口なのですが、本作でもそれは遺憾なく発揮されています。非…

「陽気な黙示録―大蟻食の生活と意見‐これまでの意見編」 佐藤亜紀著

佐藤亜紀の辛口コラム。 めった斬り、言いたい放題、傍若無人のコラムです。これは好き嫌いがハッキリ別れるだろうし、こんな女(こんな人間)絶対嫌という人が続出する一方で、その歯に衣着せぬ鋭い言葉にすっとする人も同じくらいいそうです。 食欲と美食に…

「乙嫁語り」1巻 森薫著 感想

自分にとっては初めての森薫作品です。 「エマ」で有名な方でお名前だけは存じ上げていましたが、手に取ったのはこれが初めてです。物語のほうは紹介によれば下のような感じのものなのですが、、、そういうあらすじがどうのこうのというよりは、絵が凄く繊細…

「向井帯刀の発心」 佐藤雅美著 感想

時代劇の、元祖「居眠り」の藤木紋蔵の文庫最新版です。 (あ、もちろんのこと、眠狂四郎とかは除きます) 貧乏人の子だくさん。南町奉行所勤めとはいいながら、町回りと違って、ほうぼうからの付け届けや袖の下がまったくこない紋蔵にとっては、日々の生活が…

「グイン・サーガ・ハンドブックFinal」 ハヤカワ書房編

昨年栗本薫氏が逝去されてしまい断筆となった、グイン・サーガ。 その未完の大作の為のハンドブックのファイナル版が発売されています。数百数千の人々が登場する作品なだけに、人名事典などの拡充もなされてはいるのですが、、、他のグインファンと同様に、…

「お茶が運ばれてくるまでに―A Book At Cafe」 時雨沢 恵一, 黒星 紅白著 感想

今年42冊目の紹介本はこちら。 「お茶が運ばれてくるまでに」という短篇というより絵本のような一冊です。これは電撃文庫の看板作品ともいえる「キノの旅」でおなじみの時雨沢恵一さんと黒星紅白さんコンビの本です。 なにかの短編集かと思って買ってみまし…

「王様の仕立て屋 サルト・フィニート」25巻 大河原遁著 

王様の仕立て屋、最新刊です。 今回のテーマは「靴」です。ある意味、たぶん、日本の男性がお金をかけていない分野でしょう。女性は、靴に関してはブーツはもちろんハイヒールやパンプス、サンダルとTPOにあわせて服の色に合わせてたくさん取り揃えてお金も…