小説・漫画好きの感想ブログ

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『究極超人あ〜る』 ゆうきまさみ著  

 おはようございます。
 安倍晋三総理はイラク戦争の後始末中のアメリカへの海上給油ができなければ総理の席をおりる的な発言をして民主の小沢さんとの直接会談をといっているようですが、今更という気がしますねぇ。自民党内部からも大ブーイングのよう。今日のテレビはこのあたりがポイントかな。
 さて。それはさておき、今日は休みなので、のんびりと今からしようと思っていて、パトレイバーという警察ドラマ(というとまたくくりが違うような気がしますが)の映画第三作のDVDを見ようとしているところです。そんなからみもあって、そのパトレイバーの作者のゆうきまさみさんの漫画を紹介します。

 ゆうきまさみの作品の中でも純粋にギャグ漫画として群を抜いてできがよいギャグ漫画がこの「究極超人あ〜る」という作品。高校を舞台にして、主人公が光画部といういわゆる写真部に入ってそこで繰り広げられる学園コメディなんですが、なんといっても主人公の設定がちょっと変わっています。主人公は、アンドロイドなのです。田中あ〜ること、R28号は転校生としてやってきますが、のっけからアンドロイドであるということがばれてしまいます。しかもアンドロイドなのに、知能は本当に人間並み、ギャグをすることに妙な熱意をもっているし、エネルギー源が炊いた白米のみというわけのわからなさ。
 本人いわくは、世界征服をするために作られたようなんですが、、、すっかりそんな目的はどこかにいってしまうし、彼を作ったマッドサイエンティストの成原博士という人もこの高校のご近所に住んでいるんですが、そんなことはすっかり忘れて新発明の開発に命をかけているという困った人で、でてくる人物でてくる人物全員こわれていて、ここまで全員がこわれた設定でよく破綻なく漫画が進んでいくなと思うくらいの壊れ具合です。
 (そのわりにきっちりと学年は進み、先輩は卒業したり就職したり新入生がはいってきたりとそのあたりは妙に律儀な展開をします。ギャグ漫画だと永遠に同じ学年をまわったりするものですが、そういうことはありません)
 しかも、ギャグは時事ネタから、漫画であることを前提にしたトーンや光の具合のような漫画の表現をいじったネタ、鉄道ネタとやたら範囲がひろく、笑わせることもさることながら本人が楽しみながら書いているんだろうなぁというのが手に取るようにわかり、それが読み手からしてもすごく気持ちがよいです。特に特撮ネタであるとか、ヒーローもののネタは元ネタがわかる人だけ笑って下さいといったものも多く在りますが、見事にキャラクターにあっていて、勢いよく笑わせてくれます。 
 そのせいか、この作品は普通の文化部を中心とした漫画であるにもかかわらず、そういう特撮的なノリをして、アニメ化、音楽ドラマ化、CD化、コンサートと当時にしては珍しいくらいの露出の多さを誇っています。
 ゆうきまさみ氏の、この作品の次の作品にあたる「パトレイバー」なんかは玩具タイアップでいえばロボットものというカテゴリがあって、きちんとスポンサーがついてアニメ化されるのも織り込み済み作品でしたが、この作品に関してはノリのよさですべてすすんでいったという感じがします。
 ふつうの文庫サイズもありますが、小学館から愛蔵版で4巻セットもあります。アマゾンへのリンクは手に入る文庫サイズの方にしておきます。

究極超人あ~る (1) (小学館文庫)

究極超人あ~る (1) (小学館文庫)