小説・漫画好きの感想ブログ

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「ふたつのスピカ」15巻 柳沼行著 感想

 いよいよ漫画のほうも最新刊に追いつきました。
 ちょうど、たぬきさんに送っていただいたNHKの桜庭ななみ主演のドラマ版を見ながらだったので、変にシンクロしたり前後したり微妙な差異を楽しみながら読ませていただきました。
 15巻の最新刊では漫画のほうがドラマの先を進んでいますが、ほぼ原作漫画が発表されていたところまできちんとドラマは描いていたのかと結構驚きました。7話完結でよくぞここまでという感じでした。で、話は漫画本編に戻ってですが、、、仲間の死、そして仲間全員のうちで宇宙飛行士となるべく学校の中に残れるのはただ一人という状況になったあとも、全員がそれなりに心の葛藤や迷いは持ちつつも、意外なまでに淡々としているのが印象的でした。
 マリカでさえも最近では感情表現が豊かになっていただけに、これは結構本当に意外でした。確かに仲間の死を悼んだり、理不尽な死や運命に対してそれぞれが憤りを覚えたりもしているのですが、全員が漫画的には童顔なのも手伝ってか劇情というまでの強さや熱さがなくて。この漫画は、何故だか背景のイメージが星空というより夕焼けのようなノスタルジーが漂う世界で、どこか常に喪失感が漂っているような世界だけに、合っているといえば合っているんだけれど、、、ここまで仲間として頑張ってきただけにその運命と別れに読んでいるこちらの方が登場人物たちより熱くなってしまいまして、その温度差がギャップとしてありました。
 
 ところで、この15巻の感想とは離れますが、原作版とテレビドラマ版の違いはさっきの熱さの部分がそうなのかも知れません。テレビドラマ版ではとにかくよく登場人物が叫びます。ななみさん演じる鴨川アスミが、秀が、マリカがよく叫びます。熱いです。といっても、その熱さやキャラクターはどこか優等生的なんですが、それでも熱いです。
 

ふたつのスピカ 15 (MFコミックス フラッパーシリーズ)

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