「幻覚ピカソ」 古谷兎丸著
こんばんは。
土鍋等を見に百貨店にいってきたのですが、結局一人用に使うような小さなのはなく、ルクレーゼだのタジン鍋だのなんだののえらく馬鹿高いけれど一人でやるには不向きっぽいのばかりだので、本と食事だけして帰って来ました(新宿 中村屋のインドカリーはかなり美味しかった。ちょいたかいけれど1500円の価値ありで満足満足)。
で、購入したのが、これ。
「幻覚ピカソ」 古谷兎丸著
航空機事故で死にそうになったところを幼なじみの祈りによって生き返った少年ピカソ。彼は、本来はその時に死ぬはずであったのを無理矢理生き残らせてもらった代わりに、人助けを続けないと身体がどんどんと腐ってくるという危険な状態にあります。なので、ストーリーは毎回彼の人助けを軸に進んで行きます。
絵を描く事が好きで、他人とかかわるのが苦手だった内気な少年が、やむなく人助けをして徐々に仲間も増やしていくという話だけに、その人助けのほうも一風かわっています。ピカソは、心の中に何か問題を抱えた人物を見ると、ほとんど自動書記といっていいスピードで、スケッチブックの上にその相手の精神世界を絵として描き出してしまいます。そして、その絵の謎解きをして、その絵の世界に入り込み、相手の精神世界の内部からなにがしかのトラウマや思い込み、わだかまりをほぐして現実世界を変えていくのです。皆さんが思う通りに、ずいぶんとある意味まどろっこしいやり方です。でも、この精神世界を現す絵そのもの(鉛筆タッチで描かれていて明らかに質感が違います)と、その中での謎解きが意外にいい感でなので、或る意味新しいスタイルとも言えるものに仕上がっています。
全体の雰囲気や、キャラの動き方などは、どちらかといえば古い感じで昭和の匂いもしますし、漫画の地の部分の描写はむしろそんなに上手くないと僕は思うのだけれど、でも、精神世界の鉛筆タッチで描かれた世界は斬新だし、現実世界とのメリハリがついていて今後の伸びしろに期待大です。
- 作者: 古屋兎丸
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2009/02/04
- メディア: コミック
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追記:買い物にいったついでに映画「チェ ゲバラ28歳」を見ようと思っていたのに上映がすでに終了していました。しかも、「レッドクリフ」とは別のアンディ・ラウによる「三国志」が上映されていました。これってテレビでCMとかやっていますか? 「レッドクリフ」は金城くんとかも出ていたせいか、ジョン・ウー監督のおかげか続き物なのに派手に宣伝していたのにこちらはそんな映画があることすら知りませんでした。アンディ・ラウは「趙雲子龍」役だったようです。