小説・漫画好きの感想ブログ

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「パンドラ'S ボックス」 北森 鴻著

 ぼんやりと新番組の紹介を見ていたら、上戸彩大泉洋と東幹久の子育てもの、明石家さんま長澤まさみの恋愛ものとか結構変化球が多いのですね、今回は。でも、どちらもちょっとトリッキーで変わったドラマになりそうです。たぶん、時間が時間だからちゃんと見れないとは思うのですけれどね。
 それはそれとして、さっき新聞を見ていたらメタボリック・シンドロームの基準が、男性で腹囲(要は胴回り、ウエスト)が85センチ以上だったらメタボになるそうです。この基準は、女性よりも厳しく、また諸外国よりも厳しいので、すでに反論異論が出ているようですが、実際どうなんでしょう。この基準からすると、樽井は100%メタボマンになってしまうんですが^^
身長が180センチもあれば、たいがいの人のウエストは85はあると思うんだけれどなぁ、ないかな。煙草の喫煙について厳しくするのはいいけれど、メタボの基準がどんどん厳しくなるのは嫌だなぁ、避けたいなぁ。
とはいえ、肥満が身体に悪いのはよーくわかっているし、ミスタードーナッツ食べながら阪神中日戦見ている段階でかなりまずいのは確かだし、、、ううん、どうしよう。内蔵の検査とかこわいもんなぁ。
 本題、先日紹介した「蛍坂」の北森 鴻さんの作品です。
 
 「パンドラ'S ボックス」 北森 鴻著

 この短編集は、北村鴻氏の初期短編集です。
 「蛍坂」の香菜里屋シリーズ、京都裏ミステリーのシリーズ、などに繋がっていく原型作品や当時、小学三年生という雑誌に連載していたシリーズなども収録、北村鴻氏の面目躍如の幅広いラインナップの初期短編集です。この一冊を読むと北森鴻の芸域の広さがよくわかります。軽いタッチのものから子供向け、そしてひねりのきいたトリッキーな一本があるかと思えば、がちがちの本格系もあり、本当に幅広いです。そしてどれも対象にあわせて楽しませるレベルをきっちり押さえています。職人的な見事さです。
 特に、「躍る警官」という本書中の一作で、たとえデビューすぐくらいであっても、やはり本当に才能がある人は違うのだなという事が一発でわかりもします。こういうひねりのきいた短編ミステリをかける人であれば今後も外れはないだろうと確信させます。これはもう才能というしかないです。
 そして、この本はそれだけではなく、読めば、北森鴻さんの人間性というか素顔が覗ける仕組みになっています。
 というのも、実は、この本にはあとがきのような形と解説という形で一本ずつの作品に対して、著者自身がライナーノーツを書いてくれているのです。そして、それがかなり面白いのです。自分は、今まで北村鴻氏というのはもっとおとなしい感じの思索肌の人だと思っていたのですが、下請けでピンク記事からなんでも書く時代を経て今にいたっているという意外な経緯や、賞に出しては今ひとつで違う賞にまわしたり焼き直してヒット作にしたりという逞しさ、そしてまた何よりつとに明るく楽しいお人柄で出ていて、作品そのものとは違うところではありますが今迄以上にこの北森鴻という作家さんが好きになりました。
 北森ファンなら、この一冊は是非手にとって読んでいただきたいです。
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パンドラ'S ボックス (光文社文庫)

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