小説・漫画好きの感想ブログ

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西洋骨董洋菓子店 よしながふみ著


 こんばんは、樽井です。
 コメントにお返事を書こうと思いつつも、ちょっとアルコール分が抜けきらないので(白くまとか冷たいものを食べたり熱いシャワーを浴びたり、舛添さんのお怒り映像みたりと頑張ってみたんだけれどね)、コメントのお返事は明日の朝にさせていただいて、明日用に作っていた漫画紹介をかわりにアップして寝ます。明日には、岡村靖幸の新曲の感想なんかも入れないといけないです。

 ということで、いきなりですが。。。
 ボーイズラブというジャンルがある。BL系とも、やおいとも書かれたりするジャンルがある。
 (こういうジャンルが好きな子を腐女子ともいい、となりの801ちゃんという映画がレンタル店でプッシュされていた)
 もっとコアになると、ボーイズではなくて本物のゲイ小説やゲイ漫画になるが、それよりも年下のよくいって20歳前半くらいまでの男性同士の恋愛がからむような話のジャンルである。一部の女性たちにはなぜかことのほかこのジャンルが妙な引力を発揮するらしく、いまでは書店の一部はこのコーナーに独占されている。
 少年同士だったらなんでもいいというわけでは勿論なく,細かいカテゴライズがさらにされていくのだがそれは今回はちょっと割愛させていただく。というのも、今回のマンガにでてくるのは、もう少し上の世代(30代くらい)になるからである。どうしてこんな前ふりをするのかといえば、このマンガの紹介をしていく上でどうしてもそれを黙ってやっていくわけにはいかないからである。

 『西洋骨董洋菓子店』  全4巻 よしなが ふみ著    

 ゲイの要素がずいぶんと強く出ているこのマンガだが、実はテレビで実写ドラマ化されている。
 椎名桔平、滝沢秀明、藤木直人という三人が主役たちを演じていたらしい。
 見ていないのでなんとも言えないが、ゲイの話をかなりの比重でいれてあるマンガなので、このメンバーでゴールデンタイムにテレビドラマ化したなら、かなりアレンジしているのだと思う。だから、タイトルで、このドラマを見たことがあると思った人も別物だと思って読んでもらいたい。
 ストーリーは、とある財閥の御曹司の橘という男がアンティークを使ったケーキ屋を始めるところから話は始まる。何か商売をしようと思っていた時に潰れたアンティーク店を見つけたので、それを買い取って彼はケーキ屋にすることを思いつく。ただ、主人公の橘は酒好きで辛党なのでケーキなんてまったく作れないので、日本でもトップクラスのパティシェを雇う事にした。だが、そこに現れたのは高校の卒業式のときに彼のことを好きだと告白してきたクラスメートだった。やむなく彼は、彼と関係をもたないこと、ちょっかいを出さないことを条件にそのパティシェを雇うことにしたのだが、このパティシェが魔性のゲイと呼ばれるほどに魅惑的らしく、採用するバイトがすべておかしなことになっていってしまい長続きしない。
 そこに現れたのが、若くして引退した元全日本チャンピオンのボクサー。彼はダイエットが死ぬほどいやだった甘い物に極度に目がない男で(しかもあまり太らない)、一口このパティシェの料理を食べてからは彼を師匠と呼び、本人はまったくのストレートにもかかわらずこの店で無理矢理働き始めた。 
 かくして三人のメインキャラが出そろう訳だが、このマンガ、かなり面白い。絵がうまいというのも当然あるが、ストーリーが個性的で面白いし、ゲイの描写そのものも男性が読んでもそんなに拒否反応を起こすようなものではなく、一気に読める。
 主要人物が出そろったあたりから、それぞれの過去にスポットがあたった話であったり、壁にぶつかったり悩みを克服しようと頑張る話が丁寧に書き込んであって、マンガとしてもかなり完成度が高い。このあたりはさすがにベテランらしい運びで、安定したレベルで作品ができあがっていてどの話もきちんと描きあがっている。だからこそ、ドラマ化もされたのであろうとは思われるが、同性愛のからみの部分はどのように処理をしたのであろうか一度機会があればDVDでも見てみたい。
 さて、あとこの話のツボとしてはタイトル通りに洋菓子、ケーキの話が作中にふんだんに盛り込まれているのだが、これが実に美味しそうに描かれている。ビジュアルとしてはそうでもないのだが、説明等を聞いているととにかく美味しそうに感じられる。このマンガをパラパラと読んでいるとかならずケーキが食べたくなること請け合いである。

 ということで、樽井的には作品が面白ければゲイが主人公の小説でも、女性同士の百合系のものでも別に差別なく受け入れ楽しめるということでした。ではでは。あー、お酒飲んだ後なのに美味しいケーキが食べたい。

西洋骨董洋菓子店 (1) (ウィングス・コミックス)

西洋骨董洋菓子店 (1) (ウィングス・コミックス)