小説・漫画好きの感想ブログ

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もやしもん

 しまったぁー。
 編集し忘れていた、ということもさることながら、帰宅してテレビをつけたら「ラストサムライ」をやっているではありませんか。渡辺謙トム・クルーズがなんてかっこのよいことでしょう、というこの映画、テレビでやることがあったら絶対に録画しておこうと思っていたのにすっかりと忘れていました。
 24時間テレビをやっているみたいなどうでもいいことは忘れていなかったのに、この映画を忘れていたとは。。。内容については、天皇の問題も含めて、また外国人からみた時代考証など、まぁ賛否両論色々有る事は承知なんですが、単純にかっこ良い映像はかっこ良いとして評価したいと思います。美しいものについては、美しいということだけで一つの評価であると思いますので。
 さて。それはそれとして、本来は朝アップしておく予定だったものを。

  『もやしもん』(1〜5巻まで発売中) 石川雅之著  イプニングコミックス

 大学の学生たちを主人公にした群像劇というのは古典王道パターンではあります。また、それが理系の学生たちによる奇妙な研究室を舞台にしたというのも、数は少ないもののジャンルとしては確立されています(たとえば『動物のお医者さん』とか)。しかし、この作品はちょっとその中でも群を抜いて異色なのではと思います。なんといっても、主人公たちの扱うのが菌だからです。
 細菌とか粘菌とかの、あの菌です。
 南方熊楠の研究した、ワトスンの研究した、あの菌たちです。しかも主人公の一人は、その菌が見えたりします。しかも、ラブリーな姿形にデフォルメされて見えます。しかも指でつまむことができたりします。←もちろん、サイズ的にはあり得ないんですけれども、そこはマンガの世界なので。
 「もやしもん」というこの作品は、主人公たちが東京農業大学に入学したところから始まります。男二人で、同じ村の出身の二人は幼なじみ。
 一人はもやし屋(といっても、もやしを売り買いしているわけではないのですが、ここでは長くなるので割愛)、もう一人は酒屋の息子。二人は一緒に大学に入るのですが、入学式早々、奇妙で魅力的な先輩や教授に出会います。マシンガントークをかましまくりですが、菌の世界では世界的な権威らしい教授。ボンテージ風の衣装に身をつつんだ気の強そうな、そしてセレブな助手。大学の中で密造酒を作っている先輩(この先輩のうちの一人が、笑い飯のひげの方に見えてしかたありません)。これら奇妙な人物に取り込まれるように、二人はそのまま一年生なのに、ゼミの方に行ってしまいます。
 物語序盤そうそうの数話で、この二人のうちのもやし屋の主人公はどこかへ消えてしまうのですが、そのうちに登場の予定のようです。
 さて。
 このお話、さきほども話したように様々な菌がたくさん出てくるのですが、その中で語られるうんちくがまた非常に興味深くて、こういう路線で理科のマンガが出ないのかと思うくらいです。例えば、納豆菌の一部を改良して砂漠緑化に使えるといった話や、チーズの一種を作るためには昔は子牛の四つある胃のうちの一つから取れる菌を使わざるを得なくて、そのたびに子牛が犠牲になった話などは、しみじみ感心してしまいます。
 小説でもそうですが、ただ面白いだけでなく、読んだ後に知識が増えている本というのはちっょと得した気分になれます。
 ということで、この秋、めでたくアニメ化されることになった「もやしもん」を紹介しておきます。

もやしもん(5)おまけ付き (プレミアムKC)

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