「天と地の守り人〈第2部〉カンバル王国編」 上橋菜穂子著 感想
「精霊の守り人」から始まった大人気シリーズの、「守り人シリーズ」「旅人シリーズ」の最終クライマックス三部作の第二作目です。
「精霊の守り人」「闇の守り人」「夢の守り人」「虚空の旅人」「神の守り人」「蒼路の旅人」ときて、この「天と地の守り人」ですべての物語が収束していくことになります。チャグム、タンダ、トロガイ、シュガ、そしてもちろんバルサたち全てが登場します。
以下、ネタバレを含んでしまいますので、隠します。
- 作者: 上橋菜穂子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2011/05/28
- メディア: 文庫
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タルシュ帝国の魔手から北の大陸を守るべく、逃亡生活のすえロタ国王に助けを求めたチャグムでしたが、第一部であえなくその願いは拒否されてしまいます。それでも、自国のヨゴ皇国を守るため、チャグムは、一縷の希望を携えてその足でカンバルへと向かいます。しかし、彼の行く手には彼の命を狙うタルシュの暗殺者たちが待ち受けます。護衛のものも斬り倒され、自分の命もあわやというタイミングで駆けつけるバルサ。
かくして再び再会したバルサとチャグムは、運命の導くままに旅を続けます。最初の出会いの頃は、頼りなくて皇子という身分を厭わしく思っていた少年チャグムも、バルサが目を細めるほどに成長し刀傷もたくましい青年に変わっていました。チャグムは、いまや自国を憂い自らの命を賭けてでも国民を守り抜こうとする青年に変化していました。