「ノバルガース」 ジャック・ヴァンス著 感想
ひさびさに純粋SF作品の文庫新刊感想です。
あらすじとしては、宇宙の片隅のとある惑星で一大戦乱のもととなったノパルという精神生命体を巡って、地球人の科学者がエイリアンに拉致されるところから始まる、精神生命体と人間たちとの戦いの物語です。設定だけ書けば、これ以上ないくらいにストレートなSF設定です。
しかし、正直にいうとちょっとしょぼいです。
幾多の星々の命運に関わるような精神生命体の侵略や、そこからの大ドンデン返しも、なんだかんだいって結局は地球人三人、正確にいえば二人の機転や頑張りだけでいともたやすく数日で解決してしまうといえばそのしょぼさは伝わるでしょうか。最初はもうちょっと盛り上がるかと思って読み続けていたんですが、中盤からはぐだぐだな感じになっていくし、論理的に破綻したところが出てくるし、で正直読んで損したかなぁレベルに最後はなっちゃいます。
まぁ、これは個人的な好みですから、他の人からすると「いやいや、これは傑作だよ」という人もいるかも知れませんし、こうして新刊が出てくるしヴァンスといえばSF世界ではけっこうのビッグネームでもあるわけですし、、、是非他の人の感想なんかも聞いてみたいところです。
- 作者: ジャック・ヴァンス,Jim Burns,伊藤典夫
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2009/08/30
- メディア: 文庫
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追記;ちなみにジャック・ヴァンスで有名なのは「アダム・リース」や「魔王子」のシリーズ。それから「竜を駆る種族」だそうです。タイトルだけきくとマイケル・ムアコックのメルニボネの白子の皇子エルリックがストームブリンガーを持って出て来そうなタイトルですけれどね^^