小説・漫画好きの感想ブログ

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「GENTE 1〜リストランテの人々〜」 オノ・ナツメ著

 こんばんは、しつこいですが樽井です。
 結果的に今日はたくさん書き込みをしていますね。まぁ、ごくまれにこういう日があってもいいかな。なんとか咳もおさまってはきたものの横になるとまだ苦しく結局は寝れないのでぼちぼちと書いていきます。こういう時は、楽しい事を思い浮かべて、元気になったら何か楽しいことをして、美味しいものでも食べて、、、ということで再び食べ物絡みのマンガです。
 
 「GENTE 1〜リストランテの人々〜」 オノ・ナツメ

 独特なタッチの漫画家さん、オノ・ナツメのリストランテとその従業員たちの物語です。
 が、書評・レビューの前に書いておきますが、この作品は「リストランデ・パラディーゾ」という作品の外伝シリーズです。ですので、もとの作品である「リストラんデ・バラディーゾ」を読んでいないとわかりづらい部分やそれぞれのキャラのバックボーンたるものキャラクター造詣が一部薄く見えてしまう可能性が非常に高いです。というのも、自分も本家の「リストランデ・パラディーゾ」を読んでいなくて、いきなりこの作品を買ってしまったので、最初はちょっと??な部分もあったし評価も低くつける予定でした。
 しかし、外伝であるということをさっぴいて読んでみて、しかも二回、三回と読み直すと表現が古いですが、するめのように噛めば噛むほど味がでる漫画であるという風に評価を改めました。ですので、できれば先に本伝を読まれるか、そうか本書からいきなり読む場合は繰り返し読んでいただくことをおすすめします。もしそうするのであれば、逆にかなりいい評価の作品になると思います。
 主人公というか主要人物は、ロレンツォというオーナーがローマで開店させたリストランテの従業員たち。
 彼らには、オーナーの奥さんの好みから、紳士であることと、もう一つの共通ポイントがありました。それは、紳士でメガネをかけていること(老眼鏡必須というのは作中でも出る冗談ですが、まさにそんな感じです)。まぁ、そのあたりが本編を知らない人にはキャラの見分けが最初できないことの一因にもなっているのですが、全員がおじさんで紳士でメガネをかけています。漫画世界にメガネ属性というものがありますが、この漫画においては登場人物が全員オジサン・メガネです。オジサン属性、メガネ属性の人であればそれだけでパラダイスな作品です。基本的に自分はこういうキャラ構成は他に「ヘルシング」の平野耕太くらいしか知りません。
 さて、話もどして、そのメガネのオジサンたち、カメリエーレ長のクラウディオ、同カメリエーレのルチアーノ、ビート。ソムリエのジジ。シェフのテオ、ヴァンナと手伝いのマルツィオたち。その彼らの家族や友人たちの日々のスナップの短編連作集というのがこの作品です。それぞれのキャラクターがよくわかるようなエピソードを入れつつ、じっくりと一つのグループの全体像が浮き上がってくるこの作品は作者が楽しんで書いているんだろうなぁという感じがひしひしと伝わってきて、読んでいて読みごたえがあります。たぶん、ジェンテ1とタイトルがついているのでまだまだ続いていくと思うのですが、そういう部分で先が非常に楽しみです。
 あと。オノさんの作品のこれは全体的な特徴かもしれませんが、非常に感性が日本人離れしているような気がします。台詞まわしやくどくどした説明を極端に省いて日常を切り取る手法はちょっと本当にタッチも含めて独特だと感じます。
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GENTE  1 (Fx COMICS)

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