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「貴族戦線」 菊地秀行著 感想

 吸血鬼ハンターDシリーズは、温泉宿の朝食のようなもの。

「貴族戦線」 菊地秀行著 感想

 吸血鬼ハンターDシリーズの最新作です。
 神祖ドラキュラの息子であるらしい、美しきヴァンピールの吸血鬼ハンター「D」の活躍を描くこのシリーズもいよいよ三十数巻目ともなると、やはりもうマンネリから脱出することは不可能なようで、いつも通りの敵とDの戦いが続きます。マンネリです。しかし、そのマンネリもここまでくると「お約束」という言葉に置換されて、特別強力な刺激や興奮はなくても安定した安心感で味わう事ができるものだとも言えます。いうなれば、温泉宿の朝食のようなものになっています。
 ごはんとお味噌汁と鮭の塩焼きと生卵、味付け海苔。
 定番という他はないし、特段とりたてて美味しいわけでもないのですが、出されれば食べるし、これはこれでこういうものだろうという。。。駄作というわけではないのですが、そんな感じです。水戸黄門やら釣りバカ日誌やらサザエさんのように、ある程度の範囲が求められているフォーマットなのかもというような微妙な感じです。
 まぁ、でも定番だから出たらとりあえずは読んでみるんですが、ここ十年くらいの作品をシャッフルして順番に並び替えよとか、この巻での敵は○○男爵? それとも○○子爵? とか聞かれると絶対に答えられないような気がします。下手したら、十五年くらい前の作品を新刊として出されたら、そのまま中盤くらいまで普通に読み進めてしまいそうな。。。

 数日前に読んだ、「パタリロ! 」88巻もそんな感じでした。
 超長寿の読み切り小説とか漫画とかってそういう風になってしまうところありますよね。