「フランケンシュタイン 支配」ディーン・クーンツ著 感想
本年173冊目の紹介本です。
「フランケンシュタイン 野望」の続編です。海外ドラマの原作シナリオとして作られただけあってストーリー展開も早く映像化したら映えるようなシーンが多数です。
記事のアップを忘れてしまうので、ちょっととりあえず読み終わった本のタイトルだけ書いておきます。たぶん、明日には全部きれいに紹介もきっと終わる筈。
前巻の続き。
ニューオリンズに勤める、スピード狂で攻撃的な美人刑事カースンと、その相棒でジョーク担当のマイクル。彼らは、とある連続殺人事件の被害者と犯人の遺体から、この街には人間のような外見だけれど人間ではない新造人間が大量にばらまかていることに気がつく。
実は、彼ら人造人間を作り出していたのはいわゆるところのフランケンシュタイン博士で今ではヴィクターと名乗り、街を財力と人造人間の力でひそかに支配していた。彼は、事態に気づいた二人の刑事の抹殺に暗殺専門の人造人間を送りこむ。
一方、そのヴィクターに最初につくられたデュカリオンという人造人間が、二人に協力、ヴィクター殺害のために動き始める。。
そして、その裏では完璧に見えたヴィクターの帝国の内部で人造人間達のプログラムが壊れ始め、暴走する者たちも出始めていた。それは単なる暴走というだけでなく、本質的・物理的な変化する伴っていたが、目に見えるのは氷山の一角でしかなかった。。。
ということで、舞台や場面やストーリーは複雑に分岐し同時多発的に発生し、いかにもアメリカのテレビドラマ的な感じであっちこっちに飛んでモザイクのように進んでいきます。一応数ヶ月以内に続編が出て物語的にはいったんはそこで収束、その後さらに二巻が続く模様です。
本筋とは関係ないですが、ニューオリンズという街は、つくづくモンスターものの舞台になりますね。
アン・ライスの傑作吸血鬼小説シリーズの第一作「インタビュー・オブ・ヴァンパイア」では吸血鬼が徘徊する街として描かれ(トム・クルーズとブラッド・ピット主演で映画化)ていましたし、R・R・マーティンの大傑作「フィーヴァー・ドリーム」でも吸血鬼の根城のような扱いでした。混血、奴隷制度、湿地帯、フランス文化の中心地としての欧州趣味などがヨーロッパのモンスターの本拠地的イメージをアメリカ国民に植え付けるのでしょうか。
それとも、ドラキュラ伯爵の小説や映画でニューオリンズが舞台になったからという直接的なイメージが強いのかな。
フランケンシュタイン支配 (ハヤカワ文庫 NV ク 6-13)
- 作者: ディーン・クーンツ,奥村章子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2011/06/05
- メディア: 文庫
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