小説・漫画好きの感想ブログ

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「パチンコがなくなる日―警察、民族、犯罪、業界が抱える闇と未来」 POKKA吉田著 

 本年84冊目の紹介本です。
 
 先日、若宮健の「なぜ韓国は、パチンコを全廃できたのか」を紹介したときに、その本は嘘ばかりだから、こちらの本を読まないとダメだというコメントがあり読んでみました。テレピチャンピオンのパチスロチャンピオンの方が企画を立ち上げて、それを著者が偽名で出したルポルタージュというのがこの本の位置づけのようですが、、、。正直、読めば読むほどパチンコ業界というのはなくなった方がいい世界にしか感じませんでした。
 巻末で、著者本人が先にあげた本を嘘っぱちだと否定していましたし、事実関係がどうかは我々には判別しかねますが、こちらのほうがより詳細に取材しているのではないかと思われる部分が多く、こちらのほうが真実であるとしましょう。けれど、それであればあるほどに、ここで語られる警察と全日遊連(全日本遊技事業協同組合連合会:はやい話がパチンコ屋さんの組合)とのもたれ合いというかズブズブのなぁなぁ関係、北朝鮮系総連系と韓国系のパチンコ業界の関係、在日社会の焼き肉・くず鉄業界からの転身で今の排他的な組織ができあがっている民族的な構図などなど、読めば読むほどに、パチンコ業界って結局のところ非合法というかただれた業界だなぁという感じが募るばかりでした。
 特に後半の下りで、パチンコ規制をはかる警察が、本当にパチンコ業界を潰してしまわないために、2時間で2000円程度、つまり映画と対等程度のお金で遊べるパチンコを業界に要請するという話などを聞くと、結局は反社会的であるとしつつも警察も政治家も利権があるが故に本気でパチンコを潰さないようにしているのがわかってしまい嫌悪感が募ります。
 (しかも、そういう指導があったにせよ、結局は今のレートでは2000円程度は10分15分でなくなります。←知り合いでパチンコに行く人間にきくと、みんな決まって数時間で2万円から3万円くらいは軽くスッてきます。なんていうお金を一瞬で吸い込むギャンブルなんだろうといつも思います)
 
 石原慎太郎都知事の言動の多くには賛同致しかねますが、こういうのを読むとパチンコなんて深夜だけの営業にすればいいんだというのは、いきなりなくすと雇用がなくなるという話と節電に配慮した上でそうすればいいんじゃないのと思いますね。原則的には、換金制度を完全に廃止して、それでもゲームとしてぱちんこがしたいという人がいれば目くじらをたてませんが、今の換金前提のパチンコは異常な状況なのだなというのがよくわかります。 
 著者が諌言辛口でパチンコ業界に警鐘をならしているつもりでも、パチンコをしない/パチンコに嫌悪感をもつ人間からすれば、なんだか巧妙に擁護しているようにしか読めない本でした。
 

パチンコがなくなる日―警察、民族、犯罪、業界が抱える闇と未来 (主婦の友新書)

パチンコがなくなる日―警察、民族、犯罪、業界が抱える闇と未来 (主婦の友新書)

 追記:少なくともりラックマ、アイマス、仮面ライダーなんぞのパチンコ台が溢れてギャンブルなのにギャンブルに見えないようになっていたりする欺瞞性や、CMにしろパチンコ屋の異常な増殖スピードは(全国的には横ばいというデータが本には出てきますが、体感的にはひたすら周囲でパチンコ屋ができていっています。都会と田舎は違うのかな?)異常に感じます。