「グイン・サーガ画集 丹野忍」 丹野忍画 感想
先日の東京オフ会の美術館で買った画集の一つ。
本命で買いたかった天野喜孝の画集のほうは手に入らなかったものの、こちらの丹野画伯の方も結果的にいえばかなり楽しめました。前の末弥純さんのときの感想でも書きましたが、まつたくといっていいほどに解説がないのだけが片手落ちな感じがして残念でした。
ただ、挿絵、表紙絵に彼がはまっていたかといえば、後期グイン・サーガの嘆美な部分、少年漫画的なノリ、そしておりからのアニメ化にマッチした絵柄ということでは丹野さんの起用はなかなかな良かったのではないかなと思います。個人的な評価でいえば、かなり高いです。
初期のグイン・サーガは伝統的なヒロイック・ファンタジーとSFと戦国物が融合した物語で、ある意味とても重厚でしたから加藤画伯の絵がとてもあっていましたが、ラスト付近の波瀾万丈である種荒唐無稽に縦横無尽に奔放なイメージが荒れ狂うストーリーにはこういう嘆美なタッチもあっているかなと思います。ファンタジー色がとても強い頃には天野喜孝画伯が似合っていたし、この時期にはこの丹野忍さんがあっていたと思います。
絵的にも、かなり冒険している部分があるのも楽しくてよいなと思います。
例えば、本当の本当にラストのヤガ篇の、魔法少女登場の表紙など、ショートな衣装にハイニーソーなど明らかに狙った路線をやったり、ヨナが古代機械を操っている巻の表紙などはまんまスタートレックだったり、適度なバランスでニヤリとさせるネタを放り込んでくるあたり(あ、全然話ずれますが、テレビ東京で深夜にやっている「宇宙犬作戦」という片桐仁が主演のドラマもスタートレックのパロディとギャグの混ぜ具合がとても楽しいですよね)、楽しませてくれます。
ちなみに、この画集の表紙はグイン・サーガの本編130巻、栗本薫さんのご逝去によって断筆となった最後のグインの表紙です。
追記:個人的な希望でいえば、マジック・ザ・ギャザリングの絵を彼に描いて欲しいですね。日本語限定版でいいので。彼の挿し絵とかならパロの兵士はまるまる白のクリーチャーにできそうです。グインは緑、イシュトは赤、グラチウスなどは黒、、、ナリスあたりが青かな。。わからない人ごめんなさい。なかなか面白いトレーディング・カードゲームの話です。
- 作者: 丹野忍
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2010/05/21
- メディア: 大型本
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