「牙一族の狩人 魔界都市新宿」 菊地秀行著 感想
十六夜京也を主人公にした、魔界都市新宿です。
魔界都市新宿は、もともとはこの年法使いの主人公・十六夜京也を主人公にしていたわけですが、秋せつらやドクターメフィストらのノベルズ派の住人が主役になることが多く、京也が出てくる話はぽつりぽつりと数編しかありません。今作も、大学受験を目前に控えた京也は、友人の頼まれごとでいやいや魔界都市に足を踏み入れることになります。
どんな頼まれごとかと言えば、彼の高校時代のクラスメートに惚れ込んだ番長からの依頼で、そのクラスメートが魔界都市の牙一族のところへ嫁に行くことになったがどうも得体が知れなくて心配なので調べてくれというもの。京也にしてみればどうでもいい話だったはずが、その番長が牙一族に殺されてしまうに至って、京也は魔界都市へ牙一族を倒すために赴きます。
が、牙一族は、予想外に強く、京也ですらなかなか歯が立たない強者揃いの家族で、しかも実は死人の一族だったのです。彼らの願いは? そして京也はどのようにして彼らと戦うのか。。。
あらすじ紹介はこんなとこで、感想ですが、いつもながら思うのですが、この京也が主人公になると、魔界都市ものなのに妙に健全で青春物の感じがして、いつもの魔界都市もののようなエロス・バイオレンス・ホラー要素がきわめて薄い感じに仕上がってしまうのがちょっと物足りません。敵にもいい奴がいて、可哀想になる部分があり、みたいな展開は嫌いではないのですが、それは別に魔界都市ものでなくてもいいような気がしてなりません。
- 作者: 菊地秀行,末弥純
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2010/06/18
- メディア: 単行本
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