「オッド・トーマスの救済」 D・クーンツ著
オッド・トーマスシリーズの三作目です。
分厚いんですが、今回はさくさくと読めて一気読みでした。面白かったです。
人ならぬ物、幽霊、超自然な何か、悪霊のようなもの(作中ではボダッハと呼ばれています)などを見ることができる、主人公のオッド・トーマス。彼は、それらを見ることができるだけでなく、時に幽霊たちが彼に何かを訴えようと訪れる(しかし彼らは話をすることができない)せいで、不思議な人生を歩んでいます。
全然作では、大量殺人事件を予期しつつも、そのすべては防げず恋人を失い、前作ではオカルトにはまったいかれた連中に正体を悟られ友人が攫われるという事件が起こったりもしました。そういうことを受け、彼は山の上にある修道院に人生の一時避難をすることになったのですが、、、そこの僧院でも不思議な事件がやはりおこることになりトーマスは再びそうした超自然な世界に関わる事になってしまったのでした。。。
という事で、今回もトーマスは人助けのために、超自然なものと戦う事になる訳ですが、、今回の敵はちょっとだけネタバレするとかなりSFよりな敵だったりします。ボダッハも出てくるし、修道院の雰囲気は突然そこにカドフェルさんが出てきてもおかしくないくらい厳格で敬虔で、元軍人なんかも魂の救済のために多々信仰深い修道士になっているようなところではあるんで、、、いよいよ神様サイド的な何かがでてくるかと思ったんだけれど、そちらはなし。死神なんかは出てくるんだから、てっきりそちらが出るかと思ったんですが、シチュエーションは整っているけれど、援軍としてキリスト教的な神や天使が出てくる事はまったくなしで、今回もまたオッド・トーマスが主役として事件解決に頑張っております。ぐれてしまったり、何もかも投げ出してしまっていいような展開なのに、最後までがんばるトーマス。本当に、トーマスのこの心の優しさと清らかさは奇跡です。
さて、これ以上はあらすじネタバレになっちゃうので少しストーリーから離れた話をすると、今後のシリーズ展開にも影響が出てきそうな魅力的な人物が今回から登場します。それが誰であるかは触れませんが、この人は今後もでてきそうな気配ありです。いや、まったく予想が外れるかも知れませんが^^
オッド・トーマスの救済 (ハヤカワ文庫 NV ク 6-10) (ハヤカワ文庫NV)
- 作者: ディーン・クーンツ,中原裕子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2010/04/30
- メディア: 文庫
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