「沈夫人の料理店」深巳琳子著 感想
「沈夫人の料理人」という作品が昔あったのですが、、、それのリメイク的な作品なのでしょうか。個人的には大好きな作品だったのでとりもなおさず買って来ました。主人公の沈夫人という美食が趣味の奥様と、愚図でどんくさくて卑屈ながら料理の腕は天才的な李三という設定はかわらずで、まるでパラレルワールドで(或いは輪廻転生で)同じような人間関係になった二人が、今度は店を出す話のようです。
このお話、数々の食べ物漫画の中でも、ギャグと料理のバランスが良くて画風もあいまってちょっと癖が強いのですが、はまる人はベタハマリになる漫画だと思います。
一応あらすじを書いておきますと、下街で明日の米の仕入れにも困る貧乏粥屋の屋台を営む李三、彼のところに偶然やってきた沈夫人は李三の外見には似合わぬ繊細な粥のおいしさに驚きます。彼を気にいった沈夫人は彼をうまくなだめすかしたり、甘言で釣ったり、ちょっと騙してみたりして(といっても奥様のことをまるで女神様のように感じる李三は彼女のためなら死んでもいいと思い込んでいるので何でもいうことを聞くのですが)、彼を雇って自分の料理店を開かせる計画を進めます。
しかし、肝心の李三は、すぐに人に騙されるし、情けないし、弱いし、あまりにもどんくさいので沈夫人はそれにイライラしたり、でもその反面彼の困る顔をみるのが好きで好きで堪らないしってな感じで、全編が楽しいです。あと、料理に関してもきっちりと作り方が出てくるので「くっきんぐパバ」や、よしながふみの「きのう、何食べた?」同様に実戦にも役立つ感じです。
絶賛でお勧めです。
- 作者: 深巳琳子
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2009/07/30
- メディア: コミック
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