「きのう何食べた?」5巻 よしながふみ著 感想

　よしながふみさんの「きのう何食べた?」の最新刊です。
　弁護士のシロさんと美容師のケンジの、二人のゲイカップルの何気ない日常と料理を描いた作品。今回はシロさんよりの話が多かったですが、どちらかが主人公でどちらかが引き立て役というわけではなく、二人の本当に何気ない日常をゲイの生活というアクセントを入れて描いています。
　もう五巻になるけれど、世間ではまだ誤解されているようなので書きますが、この作品はハードなゲイの話でもホモセクシャルな部分が強調されている作品でもありません。ただただ、たまたま主人公カップルがゲイであったというテイストで(勿論当然のことながらゲイならではの日常の話もありますが)、ボリューム的にいえば、どちらかというとシロさんが作る料理のほうがページ数を多く割かれているくらいです。
　二人のカップルが日常の色々なあれこれを、家で作る日常の料理を食べながら食卓を囲んで話をする、といういたってシンプルで、でも豊かな毎日が描かれている、そんな作品がこの「きのう何食べた?」です。偏見をもたずに色々な人に読んでもらって、そしてほっとしみじみ暖かい気持ちになったり苦笑したりして欲しいです。
　　

きのう何食べた?(5) (モーニングKC)