「修羅の門 第弐門」3巻 川原正敏著 感想
復活した陸奥九十九の実質的な復活第一戦の、対毅波秀明戦。
旧修羅の門全編の中でも、個人的に一番盛り上がったベストバウトだと思うのが陸奥九十九と不破北斗との一戦だけに、、その同門対決の戦いを彷彿とさせる陸奥圓明流と不破圓明流の戦いは、読み応えたっぷりでした。結果だけ見れば今回もまた陸奥の勝利に他ならないんですが、その過程と毅波の執念の凄まじさにこの漫画の奥深さ、格闘漫画の面白さを堪能させていただきました。
北斗の拳のような一子相伝の血脈を持つ訳でもなく、とてつもない天賦の才を持つ訳でもないものでも、不破の技術と他に類を見ない妄執といってもいい執念があそこまで一人の男を強くできるのか、と熱い気持ちになりました。
物語的には、彼は、あくまで緒戦の石であり、まだ本調子でない九十九の現在の力を見せる為の相手であり、師匠の不破の底力を感じさせるための格闘家の一人でしかありませんが、それでも読むものをぐっと再びこの「修羅の門」という漫画に引き寄せる力をもっていました。
ただ、ここまでの三巻で気になるのは、、復活した陸奥九十九の雰囲気が昔の天真爛漫さを失っていて、ちょっと物語がダークで感情の起伏が見えない感じになっているだけに、ちょっと物語が陰の方向に傾きすぎかけているのかなぁという所。この漫画の面白さは、格闘ものの面白さやかっこよさに加えて、あの陸奥九十九のまっすぐで人懐っこい性格による雰囲気もあったと思うので、ちょっとそこだけが気がかりです。
- 作者: 川原正敏
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/09/16
- メディア: コミック
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