小説・漫画好きの感想ブログ

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「御宿かわせみ19 かくれんぼ」平岩弓枝著 感想 

 本年181冊目の紹介本です。
 
 ときどきじっくりじっくり読み進めている「御宿かわせみ」19巻です。
 主人公の冬吾とるいにとっては、義理の姉の子になる「花世」と、友人の息子である「源太郎」。この二人が出てくるのが表題作の「かくれんぼ」。いまだ子供に恵まれない二人ですが、この子たちが出てくるとまるで子供のいる夫婦のように、甘やかしてかわいがる様子が微笑ましいです。
 「御宿かわせみ」前半の方の「るい」は、いくら冬吾に愛されていても、いつ捨てられるのか、夫婦にはなれないのではないか、と常に心の奥底に不安のある日陰の部分があり、作品全体にもそういう寂しい影がどこかありましたが、晴れて夫婦になってからは全体的に明るいトーンの作品が増えていっているような気が致します。
 歴史時代ミステリということですから、勿論のことながら人死には出るし、可哀想な話もあるんですけれど、どことなく全体に華やいだ部分があるような気がします。
 
 この作品本体とは関係ないんですけれど、テレビや映画では、東山紀之の「小川の辺」や木村拓哉の「武士の一部」のような藤沢周平作品が多いですが、平岩弓枝作品もなにか映画にして欲しいです。

かくれんぼ―御宿かわせみ〈19〉 (文春文庫)

かくれんぼ―御宿かわせみ〈19〉 (文春文庫)