「匠三代」1巻 倉科遼原作・佐藤智一著 感想
自分の業務が家電だったり、オート電化だったり、太陽光だったりと住宅設備だからかも知れませんが、最近いいなと思っている漫画がこれ。町の小さな建築屋さんのお話なんですが、登場人物たちが実にいいのです。昔気質の職人のおじいちゃん、元ハウスメーカー勤務の父親、天才的な設計士の息子。全員が全員、損得よりもそこに住む人の幸せを最優先に考えて、施主の最初の希望よりもいいものを提案・実現しようとする姿勢がとてもいいのです。
絵柄も内容にあっていて、ちょっと昭和なにおいがしますが、それがとてもマッチしています。人気テレビ番組のビフォアーアフターではないですが、家がリフォームされたり新しく建つってことは、物ができるということではなくて、そこで新しい生活が始まるということです。毎日生活するところだから、へんなことになれば、諦めも、悔しさも、失敗した感もずーっとひきずってしまいますし、逆にいいリフォームや設備がつけば毎日が楽しくなりますから、どんなものよりも大事なのが家のことだと思うんです。だから、漫画とはいいながら、こういう姿勢の登場人物たちが頑張っているのを見ていると、自分もかくあらねばならないなと気合いが入り直したりするのです。
こんな台詞が親子の間であります。
「親父はなんで工務店をやってるんだ?」
「それはよぉ・・
家ってのは人間が生きていく上で、欠くことができねぇものだろ?
だから人様の家を建てるってことはその家族の人生を左右する仕事だ。
俺の建てた家で、ひとりでも多くの人に幸せになってもいてぇ・・・
その一念でこの仕事をさせてもらってる」
いいですよね、こういう勤務姿勢。すごく共感できるし、いいです。ということで、おすすめ。
- 作者: 倉科遼,佐藤智一,天野彰
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2010/07/30
- メディア: コミック
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (7件) を見る