小説・漫画好きの感想ブログ

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「現代短篇の名手たち7 やさしい小さな手」ローレンス・ブロック著 

 こんばんは。
 ハヤカワの「現代短編の名手達」シリーズの七作目です。
 七作目は、ローレンス・ブロックの短編集です。ローレンス・ブロックといえば、ハードボイルドのマット・スカダーのシリーズや、泥棒探偵が主人公でコミカルミステリのバーニィ・ローデンバーシリーズ。それからとぼけた殺し屋のケラーシリーズと長篇シリーズ物が多いイメージ(ケラーは厳密にいえば短篇連作集だけれど)だったので、短篇の名手としてアンソロジーが編まれたのはちょっと意外でしたが、プロットと語りのうまさに定評のあるプロットなので、それなりにいい出来の作品集に仕上がっています。
 ただ、、、最初のほうに出てくる「ほぼパーフェクト」や「トミーの場合は」などはそれぞれ野球やテニスの選手を題材にした作品なんですが、、、これが中身がいたってスカスカで、文章技術の職人技で読ませてくれはするけれども、他の人が書いたらどう評価されるんだ?? というような出来具合で、後半になってくればくるほど面白い短編集ですが最初の数作で投げ出す人がいないかなとやや心配いたします。