小説・漫画好きの感想ブログ

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「現代短篇の名手たち4 ババ・ホ・テップ 」 ジョー・R・ランズデール著

 個人的にはランズデールといえば、「罪深き誘惑のマンボ」などのハップ&レナードシリーズのような笑えるミステリが大好きなんですけれど、世間的には「ボトムズ」とかあちらの方のイメージがだんだんついているランズデール。
 でも、この短編集はばかばかしい話が満載で、こっちのほうがランズデールはいいよなぁと個人的な好みを再確認した一冊です。例えば、ゴジラが出てくる話もばかばかしい話としてはそれだけで十分だし、一作目の初めて娼婦を買いにいこうとしたところで悪ガキ三人組が想像するワニとの戦いもシチュエーションコメディとして傑作なんだけれど、凄いのは表題作。プレスリーとアメリカ大統領が魔物と戦うという大馬鹿っぷり。
 エルビス・プレスリーという人は何故だかアメリカの小説ではよく「実は生きていた」というようなネタが出てくる人ですけれども、今回も活躍^^です。エルビス・プレスリー、歌そのものよりもあの白い衣装のひらひらと、ドーナッツの食べ過ぎで死んだとかいう変な記号属性のほうが後世に残りそうです。
 去年の後半からは海外ミステリの読書量がぐっと減っちゃいましたが、こういうの読むとシリアスなのもハードなのもまた読まなくちゃと思いました。
 あと、このシリーズはなかなかいいラインナップでこのあとも、ローレンス・ブロックも出ていて、今そちらをパラパラと読んでいます。

現代短篇の名手たち4 ババ・ホ・テップ (ハヤカワ・ミステリ文庫)

現代短篇の名手たち4 ババ・ホ・テップ (ハヤカワ・ミステリ文庫)