小説・漫画好きの感想ブログ

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「マリオのUFO」水末流人著

 ダヴィンチ文庫という新しいレーベルの、創刊記念作品の一つ。
 「怪」などで好評価を受け、京極夏彦氏などにもプッシュを受けている期待の新人さんの本だったんですが、、、ごめんなさい。自分的にはダメでした。
 どれくらいダメだったかというと、この本には「マリオのUFO」と「リオ・ブランコ」という二つの作品が入っているんですが、20日近く読んでいるのに、まだ前半の「マリオのUFO」を読み終えるのに精一杯というくらい合いませんでした。ここまで手こずったのはクーンツの「ストレンジャーズ」以来じゃないでしょうか。しかもあちらは二冊組の分厚い長編、こちらは薄い文庫本のさらに半分と考えると、実質の枚数は20%くらいしかないのに難航してしまいました。
 筋立てとしては、ブラジルの小さな会社の社長としている一家の一人息子と、その会社でやっている相撲同好会、そしてほとんど専属の家庭教師のようになってしまった学校の先生、などなどが登場してガルシア・マルケスの「予告された殺人の記録」や「エレンディラ」のマジックリアリズム的な雰囲気を醸し出す、、はずなんですが自分とは魂の波長があわなかったのか、なんだかひたすら乗れないままに暑いブラジルの街を頭の中でぐるぐるとさまよっています。今年は日本とブラジルの百年祭などもあり、自分的にもブラジルは嫌いでないはずなのに、どうにも作品世界に入り込めない感じでした。
 相性の問題もあるかと思いますが、もしこの作品、絶賛の方おられましたら感想など聞きたいです。解説が千街晶之さんで、彼が絶賛するように語り口は確かに凄いと思うんだけれど作品的には入り込めずでした。
 

マリオのUFO (MF文庫ダ・ヴィンチ)

マリオのUFO (MF文庫ダ・ヴィンチ)