「珈琲どりーむ」1 ひらまつおさむ/花形怜著
こんばんは。ただいま戻りました。
「探偵ナイトスクープ」にちょうどの時間に帰ってくるなんて、どこまで関西人の鏡なんだろうと思いつつも、まぁそれはそれとして。
本書は、珈琲(コーヒー)をネタにした蘊蓄漫画なので、なにはともあれここでとりあげなくてはいけません。主人公は、白樺園という江戸自体から続く由緒正しいお茶のお店の跡取り息子。しかし、その大事な跡取り息子の茶輔(さすけ)は大のコーヒー好きで、つきあっている彼女も同じ町内の喫茶店カフェ・シェードツリーの看板娘の香織さんと、まるで絵に描いたようなロミオとジュリエット状態の人物です。
で、この茶輔くんと香織さんが、珈琲を軸にいろいろな人物と関わったり事件を解決していくというのがこのお話。絵柄は青年誌よりということで若干古めのこざっぱりとしたタッチで今風ではありません。けれども、それがほのぼとしていて、毎回出てくる珈琲の蘊蓄にも嫌みがなく感じられる要素になっているかと思うのでこのあたりは痛し痒しでしょうか。
この第一巻でも、カフェ・ナポリターノとよばれるコーヒーにレモンスライスを入れる飲みものの紹介から始まり、イタリア人好みのコーヒーと日本人好みのコーヒーの同じエスプレレッソでも豆が違う話だとか、さらりと面白い話が出て来ます。料理系の蘊蓄漫画の完成度としては「きららの仕事」や「美味しんぼ」とかに比べると(「鋼鉄のジャン」とか「大使閣下の料理人」とは路線がそもそも違うので)、完成度は絵柄もひっくるめて少し低めですが、ほのぼののんびりとしたコーヒーブレイクに読むのには丁度よい加減かと思います。
週刊漫画TIMEというところで連載していて結構巻数を重ねているようですが、連載誌そのものを知らなかったのでまったくノーマークでした。
- 作者: 花形怜,ひらまつおさむ
- 出版社/メーカー: 芳文社
- 発売日: 2006/08/16
- メディア: コミック
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追記:漫画といえば、美内すずえさんの『ガラスの仮面』の新連載が約4年ぶりに『別冊花とゆめ』で始まるとか。ネタもとによれば、8月には劇作家・蜷川幸雄の演出でミュージカル版の公演が行われることも決定しているとか。北島マヤや、紫の薔薇の人はまだまだ現役なのですね。