小説・漫画好きの感想ブログ

小説・漫画好きの感想ブログ

「クビシメロマンチスト」 西尾維新著

 
 西尾維新の戯言遣いシリーズの第二弾。先日文庫化スタートの第一弾、デビュー作として紹介した「クビキリサイクル」の続編。前回は見事なトリックで本格ミステリとしての力量も見せてくれて、読んでいなかったのが残念だということを書きましたが、この続編もかなりいい出来でした。文庫とノベルズの価格差もあまりなく、これならノベルズで追っかけても悪くないかなと思わせるレベルでした。
 また、今回は前作でもう一人の主役として圧倒的な能力をみせつけていた「蒼色サヴァン」の玖渚友がほとんど出てこないという意外な展開に、著者の向こう意気というかそういうのも感じることが出来ましたし、ちょっとネタバレになるかも知れませんが、著者の西尾維新が叙述トリックもけっこう上手いという事がこの作品で明らかになったのは、ファンにとっては嬉しいサプライズだったのではないでしょうか。
 話の構成は前作同様に、主人公の「いーちゃん」の一人称で進んでいくミステリ。今作のストーリーは、風変わりな彼のことを好きになった同じ大学の女の子が登場。彼女から受けた誕生日パーティのお誘いでできた友達が、その日から一日ごとに次々と死んでいくという事件を、彼が解決するというもの。と同時に、彼が出会ったとある連続殺人事件の犯人との交流も描かれています(この二つは完璧に別件です)。で、凄いのはこの構成が、前作と同様によく練られていて、トリックは割合と分かりやすいんですが、二つ目の殺人事件の死の動機が前作同様、あっというどんでん返しに繋がっていて、やっぱりこれは才能がある人だなと素直に感嘆しました。
 このシリーズ、全部読んでみたいと思わせる一冊でした。
 ただ、このシリーズ、スピンオフも含めて一体どれくらいでているんでしょうねぇ。。。

クビシメロマンチスト 人間失格・零崎人識 (講談社ノベルス)

クビシメロマンチスト 人間失格・零崎人識 (講談社ノベルス)


 
 追記:「おせん」ドラマ化、噂には聞いていたけれど、、、蒼井優はあまりに原作とイメージ違うでしょう?? もっとこうハードなイメージがあるんだけれどなぁ。。。年齢も全然違うし。「ハチワンダイバー」もかなりイメージが違うんだけれど^^