小説・漫画好きの感想ブログ

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「デビルマン」 永井豪著

  
 本年55冊目も読み返しの漫画です。
 デビルマン。不動明を主人公にした、いまさら説明の必要すらない話ですが、アニメ版とは違ってハードで厳しい物語です。
 変身もの、悪魔ものの小説・漫画において必ずやといっていいほどその影を認めることが出来る物語です。
 何年か前には実写映画版などもありましたし、OVAになっていたこともありますし、さまざまな漫画家さんのアンソロジー(今でいうとこのトリビュートのはしりなのかな?)もありましたね。
 人類が生まれる以前に、神とその使徒たちに自らの生存の権利というすべての生き物の根源的な欲求と権利をつきつけたデーモン一族。彼らにとっては、人間なんてちょっと一眠りしている間に自分たちの住む惑星に住み着いた害虫のようなものに過ぎなかったのでしょう。人間は自分から見ての善と悪で神と悪魔を分けるけれど、彼らからすればその区分けすら意味がない。その徹底した世界観。
 そして、やはり衝撃的だったのは、牧村美樹の最後。アニメ版では想像もつかないような過酷な最後と、その彼女の首を抱きしめる不動明の姿は漫画史に残るシーンでしょう。インパクト、オリジナリティ、キャラクター、迫力いずれも一級品の文句無しの名作です。
 最近、コミックバンチで再び彼らが漫画の世界に帰ってきたので(形としては「バイオレンス・ジャック」なんですけれど、まぁ例によってデビルマンやシレーヌが出てきています)、それを契機にレビューを書いてみました。
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愛蔵版 デビルマン (KCデラックス)

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