小説・漫画好きの感想ブログ

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「低俗霊DAYDREAM」10巻 奥瀬サキ・目黒三吉著

 
 こんばんは、樽井です。
 「低俗霊DAYDREAM」の最終巻がいよいよ出ました。
 といっても、このシリーズ、最初こそ奥瀬サキの久々の復活作ということで(たとえそれが原作者であったとしても)コアなファンには受けOVA化・ラジオ放送化といっときは変なブレイクをしたものの、そのあとは大いに盛り上がっていくという事もないままに、シリーズ中盤からは謎の集団自殺事件という暗い方向に話が向いていってしまい、ギャグもなく、ひたすら暗く陰鬱な展開になっていったので、この最終巻においても大いに盛り上がって終了という感じではなく、正直体裁を整えた上での打ち切りというニュアンスがあって、ちょっと残念な仕上がりになっています。
 主人公が霊と話せる口寄せ屋で、なおかつ夜はSMクラブの女王様という設定はかなりとんでもないもので、それはそれでありだったんだけれど、依頼される事件が心霊現象の解決でいつもいつも結構ホラーでトラウマにまみれた事件なのはちょっと一般受けしずらかったのでしょうね。
 ファンサービスという事での唯一の救いは、椚あいの日常生活への復帰くらいでしょうか。あとは、ちょっととってつけたような感じがして、うまくまとめようとするが故にかえって残念な形でした。
 奥瀬サキといえば、かつては「低俗霊狩り」や「火焔魔人」「支配者の黄昏」などで夢枕獏菊地秀行ファンならばとりあえず手に取り、少女趣味と妖しとギャグの世界とかっこいい主人公に惹かれたものだけに(別ルートとして大槻ケンヂ筋肉少女帯からくるルートもあった)、今回の撤退は非常に残念。もう一度、メジャーに大きい華を咲かせて欲しいものです。コアなファンが多い作家さんだけに、頑張ってほしいいです。
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低俗霊daydream 10 (角川コミックス・エース 70-10)

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