小説・漫画好きの感想ブログ

小説・漫画好きの感想ブログ

「鉄の薔薇」 ブリジット・オベール著

 おはようございます。
 田原総一郎さんのサンデープロジェクトを見ていると、政治家っていうのはうやむやに話をするものだなぁという感想をいつももつのだが、今回のは特に酷いです。今日は幹事長さんだけが出ていますが、特に伊吹文明さんは本当に内容のあることを一言も言わないのですね。これでつとまるんだから不思議なものです。
 環境問題についても話しているのですが、なんだかあーでもないこーでもない。ただ一つ言い切ったのは政府・自民党の方針としてはやはりガソリンに関しては環境問題というのをうまいダシにして暫定税率を下げないことに正当性を与えたいということだけ。まぁ、いつものパターンといえばそうだけれど。
 さて。


 「鉄の薔薇」 ブリジット・オベール


 最近、海外小説が減って、読んでいる国内本も時代小説が増えていたので、海外ものを再読で読んでみました。
 この小説の舞台は、ドイツでベルリンの壁が壊されたあとの時代、ナチの残党がまだ残るヨーロッパ。まぁ、今でもネオナチとは別にナチの残党は残っているでしょうから、20年くらい前といったところでしょうか。表向きは経営コンサルタント、裏では銀行強盗という二重生活を送っているジョルジュが主人公。
 ジョルジュは表の顔はもちろん裏の顔でも成功を収め、美しい妻マルタも娶り十二分に充実した生活を送っていました。しかし、裏の仕事にいったブリュッセルで、ジュネーブにいる筈のマルタが別の男と歩いているのを見てしまいます。妻の浮気などまったく考えていなかったジュルジュはあわてますが、問題はそこでとどまりません。あれは別人だと信じたいジュルジュの前に、マルタの疑惑が次々と浮かび上がってしまいます。そのうえ、銀行強盗仲間からは突然に裏切り者だと襲われ、警察にも正体がばれそうになります。一体何故そんなにも事件が立て続けに起こるのかといぶかしむジョルジュの前に、今度は死別した筈の双子のグレゴリーの影までもが現れ、ついにはヨーロッパを震撼させる秘密に自分が関わってくるという話が、、、ととにかく展開が急で盛りだくさん。そのまま映画化できるくらいにめまぐるしく話は展開していきます。
 この話がそれでも荒唐無稽の無茶苦茶な話にならないのは、主人公がそういう無茶苦茶なシチュエーションに巻き込まれながらも、それでもマルタを愛し続けていて、銀行強盗なのに人を殺すのが嫌でたまらない人間らしいキャラクターだからでしょう。結構当たり作品が多いブリジット・オベール作品。再読してもやはり面白かったです。
  にほんブログ村 本ブログへ.

鉄の薔薇 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

鉄の薔薇 (ハヤカワ・ミステリ文庫)