小説・漫画好きの感想ブログ

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「ヘルシング9巻」 平野耕太著

 さっきFM802を聞いてたらDJが「クリスマスまであと42日」と言ってました。
 確かにそうなんですが、42日っていうと夏休みまるまる一つ分先の話ではないですか。キリストさんがらみのイベントながら、けっこう世界中に流布しているイベントのクリスマスまであと42日というよりは、日本人的にはお正月まで49日でしょうか。でも、49日っていうと何か不吉な感じしますよね。身内に不幸がないままに過ごしているので49日っていうとお葬式とかとワンセットになっています。
 まま、そんなことはさておき、「探偵ガリレオ」を見逃した悲しみを乗り越えて、漫画の感想をアップします。ひさびさに食べ物の漫画から離れます。


 ヘルシング9巻」 平野耕太


 吸血鬼と、バチカンと、ナチスドイツの生き残りのラストバタリオンとの三つどもえの戦いを描いた「ヘルシング」もいよいよ9巻になりました。
 割合にのんびりと話の進んでいた6巻あたりまでとは違って、この数巻は怒濤の戦闘につぐ戦闘が超人的なレベルで行われ、ラストバタリオンによる奇襲作戦で壊滅的な打撃を受けたロンドンは魔都と呼ぶにふさわしい街にわずか数時間でもってなってしまいました。いまやロンドンは血と硝煙のにおいしかしません。街のいたるところで不死の怪物と化したドイツ兵はロンドン市民をむさぼり殺し続けます。また逆にキリスト教徒の武装騎士団は彼らを殺し続けます。阿鼻叫喚の血の海地獄とロンドンは化しています。
 エリザベス女王は、そんなロンドンを、最終的には吸血鬼やドイツ軍や化け物たちそして彼らから首都を守っている戦闘部隊をも含めて核爆弾で一気に消し去ることも視野にいれています。
 そんな激しい戦闘の中で、さらに戦いはヒートアップ、吸血鬼の王アーカードはすべての拘束を捨て何万という命を血を通じて集め、かつての同僚にしていまや最大の敵となった糸使いのウォルターと戦います。一方、配下の元府警の女吸血鬼のセレスは、ドイツ軍のワーウルフ(ベイオウルフといった方がいいのかな)狼男と激しく戦います。
 この物語に関しては、これ以上何を語る言葉もありません。
 あとはひたすらその戦いの描写、激しさ、表現の斬新さを味わう他ありません。上手い、下手でいえば癖がありすぎするし、どろどろの絵柄ですが、個人的にはかなり買いのタッチです。作中人物の半分以上がメガネ着用人物という、別の意味でメガネマニア必須の作品でもあったりしますが、そのあたり抜いても結構画力で(静止絵だけでなく動きのある絵でも)見せれる作家さんだと思います。

HELLSING 9 (ヤングキングコミックス)

HELLSING 9 (ヤングキングコミックス)