小説・漫画好きの感想ブログ

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ロング・グッドバイ レイモンド・チャンドラー

 
 おはようございます。
 今日は昨日の雨が効いたのか、やや涼しめの朝ですね。
 さて。昨日の夜にこの本の名前を出したので、書いてみたいと思います。
 ロング・グッドバイは、フィリップ・マーロウという探偵が主人公のハードボイルド小説です。村上春樹さん翻訳にさきだって、清水俊二さんという方名翻訳版が長年あり、長い年月の間に110万部も売れている有名な一冊です。とはいえ、イメージ先行で読んだ事がないという方も若い年代の方には多いと思いますので、あえて改めて紹介します。
 ストーリーは、マーロウという探偵が、とある夜の酒場でテリーレノックスという青年と出会うとろから始まります。泥酔した彼を家まで運ぶマーロウ。なぜそんなところまで面倒をみたのかわからない彼ですが、数ヶ月後、マーロウのもとに再び現れた彼は、国境の外へ逃げだす車の運転を彼に依頼します。時をおいてマーロウには、別口の依頼でアル中になっている有名作家のボディガード(といっても誰かに狙われるのではなく自殺しようとする作家自身から)の依頼があります。
 二つの事件は思いがけないところで絡み合って、予想しない結果へと繋がっていきます。
 さて。ストーリーの方はそこまでとして、この小説、シーンシーンや台詞、行動が極めてかっこ良く、ダンディズムに溢れています。とにかく、気障であったり、洒落すぎているのですが、それが鼻につかず板についている感じで魅力的です。有名な、「男はタフでなければ生きていけない 優しくなければ生きている資格がない」という台詞も、このマーロウの台詞です。
 また、この小説が長く語り継がれている理由の一つには、ストーリーや、台詞まわしもさることながら、描写や比喩の多さ巧みさがあげられます。ある意味、古典文学作品の域にまで高まっている作品です。いい悪いではなくて、向いている向いていないでいうと、そういう高め方の難しいミステリ小説でここまで完成された小説も珍しく、間違いなく傑作だと思います。
 村上春樹さん訳のこの「ロング・グッドバイ」も、清水俊二さん訳の「長いお別れ」もどちらもいい作品ですので、訳の読み比べをする楽しみもあります。

ロング・グッドバイ

ロング・グッドバイ