小説・漫画好きの感想ブログ

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「春季限定いちごタルト事件」米澤穂信

 こんばんは、樽井です。
 阪神も負けたし、靖国問題は相変わらずぐるぐる同じところを回っているし(阿部さんはさすがにこれだけは回避したようですが、小泉さんや石原都知事高市早苗さんなんかは堂々と参拝していて、でもそれに対して特段の説明や発表はないし)本当にこの問題は永久に解決しない気配です。ただ、朝青龍の方が扱いが大きいとこみるとさすがに沈静化しているというべきなのかな?
さて。
  
 本日ご紹介するのは、僕が初読みの作家さんで米澤穂信さんの本です。
 創元推理文庫から出ている一冊なんですが、本屋さんで見たとき、その表紙のラブリーさ具合にかなり気になったんですが、その時はちょうど読みたい本が何冊かあったのでスルーしました。それが最近、その本の続編の「夏季限定」の紹介を読書備忘録というブログ(http://blog.so-net.ne.jp/strollroad/)で読ませていただいて、やっぱこれは買うしかないと思い、買って来ました。
 で、読みました。
 読んでみた感想が、実にこれがよかったのです!
主人公は、初々しい高校一年生の男女が一組。二人とも、なぜだかどうしてか「小市民」を目指しているのですが、日常のさまざまな謎に関して名推理をほぼ無意識にしてしまうくらい頭脳は明晰。
 その二人が出会う日常やちょっとした謎を解き明かしていく謎解きの本格さ加減にミステリファンとしては高いポイントをつけざるを得ないし、なにより青春小説としてくすぐったくなるぐらいに純度が高く、またキャラクターの造型が非常によいです。特にヒロインの小佐内ゆきさんが非常によいキャラクターなのです。 
 すごく恥ずかしがりで、人見知りで、何かあるとすぐに主人公の陰に隠れる内向的な感じの小さな女の子なのですが、食べ物、特に甘いものに関しては鋼鉄の底なしの胃袋をもっていて食べるときにだけすごく幸せそうな顔をするんです。萌え要素が非常に高いですね。そして、それだけでなく、彼女には本作で少しだけほのめかされる凄い過去があるらしく、、、続きがとても気になります。
 ある意味、文系男子の理想像に近い、萌え要素の非常に高いヒロインがいて、そして謎解きがとても本格的で、青春もの。これは読まずにはいられない、読まなきゃ損の一冊ですね。
 おすすめの度合いや雰囲気としては、ちょっと違うけれど、理想っぽい女性が出て来て人が死なないものの本格ミステリということで北村薫さんの「私」シリーズが一番近いでしょうか。文句なくお勧めですね。こういう頭のよい女の子のキャラクターって好きだなぁ。

春期限定いちごタルト事件 (創元推理文庫)

春期限定いちごタルト事件 (創元推理文庫)