小説・漫画好きの感想ブログ

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『フィーヴァー・ドリーム』ジョージ・R・R・マーティン


 阪神・中日戦を見つつ。
 なかなかどうして均衡状態が破れませんねぇ。ボーグルソンも頑張っているし、久保田も頑張ってるし、藤川が出てくるにせよ点をそう取られることはないんでしょうが、胃に痛い展開です。このままテレビに釘付けでしょうか。巨人は5回ですが、すでにタイガースとドラゴンズは8回裏まで来ていますが、動きません。でも、そろそろ何かおきそうな気配ではあります。
 一方、パソコン画面では水曜どうでしょうクラシックの「大泉洋24時間闘痔の旅」が流れています。こんな胃の痛い展開の野球やサッカーを見るときは何か面白いものでもみないとやってられません。ただ、こちらも恐山に行くとか行かないとか、違う意味で怖いこと言ってます^^ そういえば今日の深夜に稲川淳二の本当に恐い話スペシャルがあるといっていたなぁ。ちょっと本の紹介も怖い方に行ってみますか。
 さて。

 というわけで、怖いものというかホラーを紹介します。
 が、ストレートなホラー物ではなくてちょっと以外な変化球で、吸血鬼物語での感動ものを紹介します。この小説を書いたのはジョージ・R・R・マーティンという人で、この人はどうしたわけかすごくいい小説を書いて評判を取るわりには、日本でその本が出版されている期間がすごく短くて、すぐに品切れや絶版になってしまいます。巡り合わせなのか、一部熱狂マニア受けする人なのかが微妙ですが、個人的にはとても買っている作家さんで、その彼の作品の中でも、今日紹介するこの本は、イチオシの感動作品です。
 何年か前に再販されていたので、今なら手に入ると思います。

 『フィーヴァー・ドリーム』 上下2巻 
   ジョージ・R・R・マーティン著   創現推理文庫

 舞台は蒸気船がまだ船旅の花形だった時代のミシシッピ川流域。
 このミシシッピ川は複雑にいくつもの川や砂州が入り組んだ、船乗り泣かせの難所が続くが実入りも多い貿易航路になっていて、そこにははさまざまな汽船が運行しています。人を運ぶ船もあれば、貨物で上流と下流をたえず行き来する船もあります。どちらも莫大な利益をうみますが、それだけに船同士の衝突やだしぬきをはかっての事故や沈没などもよくおこる、ある意味、あらあらしいこの航路て長い年月を生き抜いて行く為にはなにより力がいりました。特に船長としてやっていくには、キャリアや腕っぷしにプラスして、能力、運、商才、それらがいずれも必要でした。逆にそのすべてに恵まれた船長はある意味ヒーローともいえました。
 ここに登場するマシュー・アブナーという船長も容貌こそ魁偉ながら、ずばぬけた実力でそのうちの一人でしたが、運悪く持ち船を沈没させてしまい破産、今では飲んだくれとなっていました。そこに現れたのが主人公のジョシュア・ヨーク。彼は、とてつもない大金持ちであり、この航路でいくつかの事がなしたいからと素晴らしく優美で力強い船であるフィーヴァードリーム号を携えてこの流域にやってきました。そして,その彼が船長として共同経営者にアブナーを指名したのです。
 アブナーは半信半疑でしたが、船のあまり美しさと力に惚れ込み、再び船長となりました。しかし、舵をとりながら毎日を送る中で徐々にオーナーであるヨシュアを不信に思うようになります。なんとなればヨシュアは滅多に人前にでないし、決して日のあたる時間に起きてこないのです。しかも、彼らの航海には奇妙な出来事がつきまといます。ひょっとして彼は吸血鬼なのではないだろうか。そう不安に思うようになります。そして、そんなある日、珍しくジョシュアが陸地に上陸した夜、その町で変死体が発見されます。アブナーの疑惑通り、ジョシュアは吸血鬼だったのです。
 しかし、話はここから急展開を見せます。
 ただ一つ言えることはアブナーが人類の危機をまもるため、ジョシュアと戦うとかそういった展開には決してなりません。後半になればますます登場人物は増えるとともに、込み入った話に事態は展開していきます。混沌と破滅。その行き着く先でアブナーは、何を知り、何を聞く事になるのか。
 吸血鬼ものというジャンル脇によけても、血湧き肉踊る冒険物語の要素と、最初に述べた感動小説の要素を含むこの小説。非常に力強くおすすめする一冊です。
 また、違う風に読めば、BL系の話としても読めるのでそちらが好きな方にも大きな声では言えませんがおすすめですよ。

フィーヴァードリーム〈上〉 (創元ノヴェルズ)

フィーヴァードリーム〈上〉 (創元ノヴェルズ)


フィーヴァードリーム〈下〉 (創元ノヴェルズ)

フィーヴァードリーム〈下〉 (創元ノヴェルズ)