小説・漫画好きの感想ブログ

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宮崎駿監督発言 波紋

宮崎駿監督発言、波紋。
慰安婦問題は日本が悪いから謝罪と賠償すべき、中韓とはいま相手が主張している領土はすべて(てことは沖縄と対馬もか)は分割で共同統治すべき。軍隊は不可、防備も減らせ。憲法はいじるな。もし戦争になったら、そこから軍備をしても遅くない」って。
そりゃ物議かもすよ。

「湖底の城」1巻 宮城谷昌光著 感想

宮城谷作品の文庫最新刊です。
彼の作品らしく、中国の春秋戦国時代に題材を取った歴史物です。
今回の主人公は、呉の伍子胥
今までの諸作品の中では割とメジャーな主人公なのではないでしょうか。
呉の中堅貴族の次男坊の伍子胥、二十歳の春から物語の幕はあがります。宮城谷作品らしく、主人公は某家を訪ねた時に「運命の女性」とおぼしき女性をちらりと見かけます。帰りしなに彼は同席していた父へその者を嫁に迎えたいと告げますが、例によってその願いは通りそうで通りません。。まま、このあたりは村上春樹作品でかなり年下の少女が出てくるのと同じで、宮城谷作品にはデフォルトの前フリなので、あまり気にせずにストーリーを追っかけていくべきでしょうね。
はじめは部下が二人しかいない彼が、少しずつ成長していき人間に深みをもっていく姿とその途中途中ではさまれる逸話の一つ一つは、これはたいつもの宮城谷作品と同じといえば同じなのですが、あいかわらずこちらの気持ちすっと清浄なものへと導きます。背筋がすっと伸びるような、人間かくあらなければならない、人間というものは常に精神を磨かなければならないなと思わせるような、そんな感覚です。
後半からクライマックスが昔ほど感情移入しずらくなってきた最近の宮城谷作品ですが、前半部分のワクワク度合いと、人間いかにあるべきかというような事を考えさせる力の強さは、あいかわらずピカイチでした。さて、これから伍子胥がどうなっていくのか。名前は知っていてもエピソードの多くは知らない伍子胥の物語を少しずつ楽しんでいきたいと思います。
そうそう、一巻ではちらりと孫子こと孫武も登場しています。

呉越春秋 湖底の城 一 (講談社文庫)

呉越春秋 湖底の城 一 (講談社文庫)

京都の夜カフェに行きたい

京都の夜カフェに行きたい・・・・

今年こそは、祇園祭に行きたいなと思っていたのだけれど、行けず。
夏の京都をぶらぶらと満喫したいという夢はいつ頃叶えられるのだろうか^^
明治・昭和初期のモダンな建築物と、古都由来の由緒ある建物と風情、そして進取の気性のハイブリッドが織りなす、独特の空気。京都の街はみてまわるだけでも楽しく気持ちが揺さぶられるというのに、、どういうわけか夏の京都に縁遠い。
しかし、いつかは夏の京都を散策したい。
ということで、京都の夜をぶらぶら散策するのにもってこいのガイドブックのご紹介です。伊右衛門カフェを筆頭に、京都の雰囲気のいいカフェが絞り込んで紹介されています。いろいろなお店の写真がもちろん載っているんですが、それがいずれもアート。見ているだけで京都に行きたくなってきます。京都旅行に行く人。るるぶなんかよりは、夜の雰囲気のいいカフェを探すならこちらですよ^^
あぁ、、、京都行きたい。

http://astore.amazon.co.jp/tarui-22/detail/4864930716

「銀の匙」8巻 荒川弘著 感想

銀の匙。最新刊です。
北海道の蝦夷農高校を舞台にした、大人気の青春学園ものです。
ここに通う学生達は、日々酪農の座学と実技、そしてそれぞれの実家の牧場や農場の手伝いに呼び出される等、普通の高校生とはまったく違う生活を送ります。早朝から深夜まで、さまざまな当番や飼育動物の世話が割り当てられ、本当に過酷です。とはいえ、そこは体力のありあまる高校生達、それなりに楽しく、青春を謳歌しているのですが、今回物語は大きく動きます。
いや、大きく動くというのは、普通の高校生を基準にした感覚なのかも知れませんが、実は、とある登場人物の実家が倒産し離農、息子である登場人物は退学してそのまま働きに出ることになります。規模拡大に投資した矢先に父親が死んでしまい借金が返せなくなって、という注釈が入りますが、なかなかハードな展開です。しかし、本当にハードだなと思ったのは、それを受けての周囲の感想が、それはもう仕方がないね、といたってあっさりとしたもの。主人公がそれを理解できなくてまわりにきけば、酪農家をしていて借金がなくて安全な暮らしをしている家は一軒もないという状況。親の代で借金が返せれば御の字。農業をするには何をするにも金がかかるから、親子二代にわたって借金を返すのはザラという現実。
今は政府が保護してくれているけれど、これで安い海外産の農産物が入って来たらどうなるのか、といきなりTPP問題にまで話が発展する状況が高校生たちの口から語られます。
また今巻では、そういうような背景から家を継ぐことが当たり前のように語られる農家けれど、本当はやりたいことが別にあるんだと親とぶつかりながら初めて自分の主張を口にする子供も出て来ます。確かにギャグを交えつつの、青春学園漫画なんだけれど、本当にきちんと人生のビターな部分も描いていて、いい漫画だなと思います。
この漫画の第一巻が出たとき、将来この漫画は学園もののスタンダードになるかもね、とレビューを書きました。けれど、内心では、こういうのは世間に受けいれられるかなぁと少し不安でした。が、これを受け入れて、こういう漫画がきちんと漫画大賞を受賞するのは日本の子供達の漫画文化の成熟具合はなかなか大したもんじゃないか、とちょっと嬉しいです。

銀の匙 Silver Spoon 8 (少年サンデーコミックス)

銀の匙 Silver Spoon 8 (少年サンデーコミックス)


銀の匙 Silver Spoon 1 (少年サンデーコミックス)

銀の匙 Silver Spoon 1 (少年サンデーコミックス)

村上春樹「雨天炎天」 感想 

村上春樹の旅行記をひさびさに再読しました。
ギリシア正教の聖地・ギリシアのアトスと、トルコを旅した記録です。
今をさること、二十数年前の旅行記ですが、タフでハードです。最近の村上春樹からすると信じられないかも知れませんが、やっている旅のハードさは往年の椎名誠とかわりません。
前半で彼がめぐるアトス島は先にも書きましたがギリシア正教の聖地です。ここは、カソリックの総本山のバチカンと違って、競技に厳しくて禁欲的なギリシア正教の聖地というだけあって、島は女人禁制、食堂やカフェもなく、自給自足の暮らしの修道院だけの島です。ここに村上春樹がカメラマンたちと巡礼地をめぐる旅に出ます。
さきに述べたようなハードな世界だけに、島の中はギリシア正教のルールで動いています。深夜の12時を基準にしたビザンティン・タイムで動き、信徒以外は参加できる行事も少なく、簡易宿泊所に泊めてれたりという外界との接触はあるものの基本、何百年とかわらぬ生活を日々繰り返す修道院の生活がそこにあります。移動手段は徒歩のみ、天候の急変は日常茶飯事、日が沈むと狼さえ出ててくる。それであっても、修道院の門は容赦なく時間になったら閉まっていて二度と開かない。そういう世界で彼等の暮らしは成立しています。
そこを村上春樹が歩いてゆきます。
旅はままならないもので、トラブルは続出。巡礼の道は間違える、考えられないほど酷い食事も出てくる。。。例えば黴びてしまったパンをふやかして食べる黴パンと豆のスープと、食べたら死んでしまいそうに塩辛いフェットチーズなど。。。そうとうところを旅します。
甘いものが苦手だといっている村上春樹が、旅の途中からあまりの疲労に甘いものが美味しく感じてくるくらいの旅で、身体の摩耗と精神の摩耗が手に取るように感じられます。アトス三点セットと彼が名付けた甘いお菓子ルクミと甘いギリシアコーヒー、そしてウゾー。僕も読んでいて、これが食べたくてたまらなくなりました。
やむなく、甘いコーヒーとワインで代用しましたが、読んでいるとその世界に引き込まれるような旅の描写でした。最近の村上春樹さんはさっぱり旅本を出さなくなりましたが、また書いて欲しいものです。

雨天炎天―ギリシャ・トルコ辺境紀行 (新潮文庫)

雨天炎天―ギリシャ・トルコ辺境紀行 (新潮文庫)

「実践 日本人の英語」 マーク・ピーターセン著 

皆様。下記の英文、皆様ならどう訳しますか?
これ、実はネイティブの人には全く意味不明もしくは不気味きわまりない英語の文になるようなのですが、その大きな間違いに気がつきますか?? 僕はたぶん同じ間違いをしただろう自信があります^^

1. I Like dog.
2. The KIOSK sells newspaper.
3.Yesterday,I went to Shibuya to buy my blouse.
4. In the spring vacation, I went to Thailand with my friend.

皆様ご存知の通り、英語が苦手で苦手で仕方がない僕ですが、、、この本を読んでちょっと英語を楽しめるような気がしてきました。
というのも、本書は、前半部分は上のような「日本人にはどこがおかしいのかわからないけれど、実際の英語ネイティブスピーカーからするとわけのわからない英語」の実例と解説・解決から入って行くのですが、その語りがユーモアたっぷりで実につかみがoKだったからです。英語嫌いからすると英語そのものに拒否反応があって構えてしまっているところが強いので、こういうつかみから入ってくれるとリラックスして英語を学ぶ気になります。英語が苦手な人にはこういうエッセイ的なところから入るのもありなのかな、と強く思いました。
(と同時に後半はかなり手強くなってくるので、同じ著者の「日本人の英語」のほうを先に読むべきだったかなと思います)
勿論、苦手意識はまだまだ抜けていないんですが、少しクスリと笑えたのは大きいかな^^ はじめてこういう英語本で気にいった本が出て来ました。
ということで珍しく英語学習の本なんかを紹介してみました。

実践 日本人の英語 (岩波新書)

実践 日本人の英語 (岩波新書)


日本人の英語 (岩波新書)

日本人の英語 (岩波新書)