小説・漫画好きの感想ブログ

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「結界師」35巻 田辺イエロウ著 感想 

 結界師、最新刊にして最終刊です。
 最終回はほっこりとした終わり方で、大団円という感じです。ですが、そこに至るまでのこの一巻の中での裏会総攻撃の中で起きるあれやこれやのエピソードの数々の密度はとても高く、読み応え満点の一冊でした。
 ネタバレになっちゃうので詳しくは書けませんが、月久と日永の因縁の実態と水月の正体、まほら様と時音の邂逅からの予想外の展開、扇七朗の変化と決断、良守の母・守美子の最後の仕掛け、真界の中につくられる宙心丸の世界に入るのは誰か。どれもこれも、密度の濃いエピソードで、じっくりと読み返してしみじみと思うところがいっぱいの最終巻でした。
 魔界ものの伝奇漫画として読むもよし、兄弟物として読むもよし、成長物語・ビルディング小説として読むもよし、冒険活劇として読むもよし、どう読んでも満足の素晴らしい漫画でした。次回作も楽しみです。田辺先生、長い間お疲れ様でした。

結界師 35 (少年サンデーコミックス)

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