「心星ひとつ―みをつくし料理帖」 高田郁著 感想
みをつくし料理帖シリーズの最新刊です。
前巻では、吉原に店を出さないかと持ちかけられ旭太夫のこともあって心が揺れる澪でしたが、今巻ではさらにそれ以上の運命の激動と選択を彼女は迫られます。幼馴染の太夫を身請けするために店を出すのか、はたまた別の店を開くのか、そしてもう一つ心にそっとひめていた小松原様こと小野寺様との関係にも大きな変転が訪れます。
ネタバレになるのでこれ以上詳しくは書けませんが、澪にはこれでもかこれでもかと迷いに迷う選択と悩みが生まれます。種市やお芳・おりょうら皆が自分のことを気にかけてくれるが故に迷う、自分の本心が一番何を求めているかわからなくて迷う、何が一番最善の選択か考え迷う、迷いに迷って悩みに悩みぬく澪の下した判断は??
前巻はわりとハッピーな展開が多かったですが、今回は料理人としての気構えや将来、まわりとの関係などで深く澪は悩みます。悩みが深ければ深いほど、苦しみが大きければ大きいほど得られる幸せも大きいものであって欲しいです。
心星ひとつ みをつくし料理帖 (角川春樹事務所 時代小説文庫)
- 作者: 高田郁
- 出版社/メーカー: 角川春樹事務所
- 発売日: 2011/08/10
- メディア: 文庫
- 購入: 7人 クリック: 146回
- この商品を含むブログ (60件) を見る