小説・漫画好きの感想ブログ

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松本龍復興担当大臣の失言発言

人間性の問題だと思います。
 待つ側が先に会見場所にいる、申し入れをするほうが申し入れのコンセンサスを得て民意を先に集約しておくこと、確かにこれはどちらも当たり前のことで、松本大臣が宮城県知事を叱るのも筋や理屈だけでいえばわからないわけではない。
 ただ、事態が事態でしょう。
 宮城県の人は震災でかなりの被害を受けていて、まだ仮設住宅で暮らしている人もたくさんいるし、漁港なんかも潰れたところがかなりある。死者・行方不明者・避難者の数字もまだ確定していない。そういう中での宮城県知事の仕事量の半端なさやハードワークは素人目にもわかるし、なにより心労がいっぱいでしょう。
 であれば、筋でいえばそうかも知れないけれど、多少の遅れがあったとしても、ここは大臣側から「お疲れさん。いやいやいいよいいよ。国もバタバタして申し訳ないけれど、復興大臣になった自分が全権でやるから、なんでも言って欲しい。全部が全部丸呑みできないし審議必要なのもあるけれど、できるところからどんどんやろう。長期のぶんでも意見出してくれたら全部持って帰るから、まずは実際一番何が困っている?」くらいの切り出しで話が出来ないもんだろうか。
 そうすれば、知事のほうでも「いや、実はですね。大変このことに困っておるんですよ。漁港も自分はこうした方がいいと思うんですが、いろいろ反対の意見もあって、実際は7:3くらいで反対派もあるんです。というのも、、、」と言えたんじゃないかな。
 
 確かに、この一件の前から宮城県知事は他の県知事に比べてとにかく特区や補助などの要求が比較的かなり多くて、それがコンセンサスを得られていない部分もあるというのは聞いています。 ニュースでも出ています。
 でも、百歩譲ってそれが本当でも、宮城県民が困っているのは間違いないんですよ。一万歩譲って知事が嫌な人であっても、それと公務は別でしょう(実際問題としては宮城県知事がどうかの人となりは知らないから、人間的にあたりがいい人なのか癖がある人なのかは分からないけれど)。
 それに、国が「助けてやる」という上から目線で相対することでもないでしょう。あちらはあちらで本当に切迫して困っているのは誰が見てもわかるんだから、国としては「困ったときはお互い様なんだし、なにより同じ日本国民なんだから皆できることはしたいと思っているよ」といえば、宮城知事も「本当に助かります」となりますよ。それをどちらが上の立場だとか、長幼の序だとか、どちらが日本にとって重要かなんていう面子が出るから話がややこしい話になる。  本当に偉い人は偉そうにしないものですよ。本当に偉い人はまわりが敬意をもって接するから偉く見えるんだと思います。

 松本龍復興担当相は4日、「知恵を出さないところは助けない」などとした3日の岩手、宮城両県知事との会談での自身の発言に対し、野党から暴言だとして辞任を求める声が出ていることについて、「このまま真っすぐ向いて復興に当たっていく」と強調し、辞任する意思のないことを明らかにした。都内で記者団に語った。
 松本復興相は同時に「結果として被災者の皆さんを傷つけたのであればおわび申し上げたい」とし、発言自体は配慮を欠いたと陳謝した。復興相は先の会見で「民主党も自民党も公明党も嫌い」と述べて陳謝しており、就任後わずか1週間で2回、言動が問題視される事態を招いた。