小説・漫画好きの感想ブログ

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「けもの道 水曜どうでしょう」 藤村忠寿著 

 本年120冊目の紹介本です。
 
 新シリーズが始まった「水曜どうでしょう」の藤村ディレクターの本です。
 水曜どうでしょうという番組をご存知ない人のために簡単に書くと、水曜どうでしょうというのは、簡単にいうと男4人の旅番組です。十年以上前のスタート当時は、まだまだ無名の大学生だった大泉洋と、彼が所属する芸能事務所の社長、鈴井貴之さん。そしてカメラマン兼ディレクターの嬉野さん、そして本書の著者である藤村さんの4人が、旅をする北海道発のテレビ番組です。現在も、新シリーズがあるのと同時に、各エリアでリターンズやクラシックと銘打った再放送があり、ローソン系列ではDVDがシーズンごとに発売されている人気番組です。
 その番組のプロデューサー兼旅の同行者をしているのが、この藤村さんです。
 彼は本書の中で、自分がどういう立ち位置で、どういう役割の人間であるかを考えれば、おのずと道は見えてくるといいます。色々な打算や思い入れや夢があっても、まずそこがあればだんだんと見えてくるものがあるのだと言います。
 自分が経験を積んでやっていくうちに見えてくるものがあって、確信的なことがあって、それをじっくりとやればいずれ道は見えてくる。その為には自分をすごく客観的に見て、一つの素材だと見ることも必要だと自分の過去を振り返りながら書いています。
 初めての著作ということで、話が前後したり、たぶん自分自身の中でいろいろ迷うことやうまくまとめきれなくて重複する箇所が何カ所もあったりしますが、テレビの「どうでしょう」を見て感じる藤村さんがそのままそこにいるような感覚があるので、ものすごく誠実に自分につきあって書いてくれた本だと思います。
 ただ、強いて言えば、ファンにしても「どうでしょう」アイテムならオールオッケーの人ならありな本かも知れませんが、ファンというほどでもない人や、一般の人にとってはどうかと言われるとちょっと微妙な気もします。一般論として読むにはちょっと内容が薄いなという気が致します。これは「どうでしょう」ファンだからこそあえて書く辛口な部分です。
 個人的には、藤やんが誠実にあーでもないこーでもないと言いつつ、仕事の合間に原稿用紙とにらめっこしながら書いている図が浮かんでありで嬉しい本でしたけれどね。
 

けもの道

けもの道

 追記:新作の「水曜どうでしょう」横浜〜四国までの原付スーパーカブの旅も、今のところちょっと低空飛行気味なので、ここからどう盛り上がってくるのか期待します。