小説・漫画好きの感想ブログ

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「血界戦線」3巻 内藤泰弘著 感想 

 本年105冊目の紹介本です。

 突如異世界と繋がってしまったニューヨークで、人外の者がこちらにこれ以上侵食しないように戦っているライブラという組織のメンバーの闘いと日常を描いたシリーズの第三巻です。いわゆる一つの異界・伝奇もので、特殊能力をもった戦士があちらと渡り合うという極めて分かりやすいヒーローものです。
 今回は巻末におまけ漫画がついているのですが、これが今回の東日本大震災についてで、漫画のキャラクターの言葉を借りて東京の不思議な空気を描いていました。異常事態なんだけれど、それが常態化してしまっている異常さというのは、こういう漫画表現のほうがストレートで分かりやすいのかも知れません。あとは、著者の内藤さんが作家個人として何が今後できるのか、どうしようと思うのか、という事を赤裸々に描いておりまして、これなんかは変にかっこつけていないのですっと素直に受け止めれました。
 あの震災以降いろいろな漫画さんが寄付をしたり、チャリティしていたりしますが、そういう大きな何かでなく、自分として何ができるか表現として何ができるかと考え、でも今現時点ではいっぱいいっぱいだけれど今後しっかり考えるという話は、すごく素直で受け止めやすかったです。
 

血界戦線 3 ―震撃の血槌― (ジャンプコミックス)

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