小説・漫画好きの感想ブログ

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母乳から微量放射性ヨウ素検出のニュース 真相が知りたい 

 昨日から調べものをしているが、どうにもこのニュースの真相が知りたくて仕方がない。というのも、このニュース、もしも本当であれば危険性が本当はどれくらいなのか、その後の推移はどうなのかをかなり注意深く動向を知らなければいけないし、逆に、もし万万が一にも、そこに悪意があって作為的なものが働いているのであればこれほど悪質な煽りはないからだ。 
 ツィッターなどでもやたら拡散されているこのニュースの真実はどうなのか、それがとても知りたい。
 

 福島第1原発事故で水道水や農作物から放射性物質が検出された問題を受け、市民団体「母乳調査・母子支援ネットワーク」(村上喜久子代表)は20日、福島市内で記者会見し、福島など4県の女性9人の母乳検査で、茨城、千葉両県の4人から1キロ当たり最大36.3ベクレルの放射性ヨウ素131が検出されたと発表した。
 厚生労働省は水道水の放射性ヨウ素が同100ベクレルを超える場合、粉ミルクなどに入れて乳児に摂取させないよう求めているが、母乳については明確な基準はなく、村上代表は「今回の数字が高いとも低いとも判断できない」としている。

以下すごく長いので折り畳みます
一読すると大変衝撃的な内容である。
 粉ミルクにせよ母乳にせよ、飲む量が同じであれば、基準が正しいのであれば心配することはない量であるが、体内被曝から子供へも放射性ヨウ素が移るときくと、心情的にとても心穏やかではいられなくなるのは人の親としては当然であるから、パニックに陥ってもおかしくないニュースである。
 ただ、これって、どうやって調べたのか、どこの研究機関、公的機関調査なのかが出てこない。いろいろな情報を探ってみても、結局のところ、どうやらこの「母乳調査・母子支援ネットワーク」(村上喜久子代表)が「こういう結果が出ている」とマスコミに送った文章だけがソースのようで、そのソースにはどこで誰が検査したかは書かれていない。
 というのは、各マスコミに彼女が送ったものが読めるのだが、そこにはその記述がないからだ(東京ニュークリアサービスという名前が散見されるが本文にはない)。以下引用。

マスコミ関係者の皆様へ


母乳に放射能汚染の心配があります。
汚染の高かった地域のお母さんたちに母乳の検査を呼びかけます。
全国の皆さんに母乳検査と母子の支援を訴えます。

私たちは、「本当に母乳に放射能汚染はないのか」という事を心配して、茨城県のお母さんたち5名、福島県3名、宮城県1名に母乳を提供していただき、放射能検査をいたしました。その結果、茨城県のお母さんの母乳の複数から、ヨウ素−131が検出されました。福島県の方の母乳は不検出(1名検査中)、宮城県の方の母乳も不検出でした。

実際に母乳の放射能汚染があった事は衝撃です。原因は、様々考えられますが、公開されている空気・水・野菜・原乳の汚染の高かった地域のお母さんたちの母乳は、もしかしたら赤ちゃんに与えるには高いレベルにあるかもしれないと私たちは心配しています。
今回母乳を提供してくださったお母さんたちは、赤ちゃんのためを一心に思い、勇気をふるって協力してくださいました。これからこうしたお母さんたちを支援 するために、母乳の調査を広く実施するとともに、万一数値が検出された場合でも安全なところへの一時避難や安全な食べ物や水、粉ミルクや他のお母さんから の母乳の提供など、お母さんが希望される事をバックアップするネットワークを作りたいと思います。

国は、繰り返し「直ちに健康障害の恐れはない」とだけ言いますが、果たしてそうでしょうか。チェルノブイリでは子供たちの白血病や甲状腺ガンがピークに達したのは10年後でした。

私たちは、市民のネットワークの力で母乳の放射能汚染のデータを持っておきたいと思います。過去に原爆症、水俣病、カネミ油症、薬害等々、国の研究は被害 者である市民を守るものではなく、長年被害者を苦しめる側にありました。今もって母乳の調査がされていない、又は発表されない事は国は内部被曝の証拠が消 えるのを待っているのでしょうか。
母乳調査は、目には見えない内部被曝の実態を唯一目に見える数値にする指標ともなります。いろいろな食べ物や環境、生活パターンなどを合わせてデータ化することは、貴重な内部被曝の実態とその原因や対策を考えるきっかけにもなると確信します。
『母 乳調査・母子支援ネットワーク』は、福島県、茨城県を始めとする放射能汚染を受ける可能性のある地域のお母さんに向けて母乳検査を呼びかけると共に、全国 の皆さんに、母子を支援する検査の資金カンパ、母子を支援する様々な取り組みにお力をお貸しいただけますよう、呼びかけます。

 もちろん、だからといってこのデータや発表がまったくの捏造だと言っているわけではない。ここまで発表する以上なんらかの裏付けがあると思いたいし、そうであれば、きちんとした医学者の意見も聞きたいし、その対策を政府には一刻も早く練って動いて欲しいと思う。ただでさえ福島の人たちに対する差別が広がり始めているので、そんな馬鹿なことをさらに拡大させるようなことを放置するのはよくないのだから、危険であれば危険で対応して欲しいし、これくらいは基準値以下のことで心配ないのであれば、心配ないとハッキリ指標を出してもらいたい。
 しかし、それと同時に気になるのは、以下のようなニュース。
 

ある市民団体が独自調査に乗り出したところ、被験者の母乳からヨウ素131が検出されて問題になっています。
活動を始めたのは、福島県内の有志が昨年11月に結成した市民団体「ハイロアクション福島原発40年」。福島第一原発1号機が今年の3月26日で40年を迎えたのを機に、「廃炉と廃炉後の地域社会を考え行動しよう」というスローガンの元に発足された団体です。
今回の原発事故で、母乳への影響などの調査がされていないことを不信に思った彼女たちは「母乳調査・母子支援ネットワーク」を新たに発足。自分たちで調査に乗り出しました。
今回被験者となったのは、市民団体の知り合いなど福島県周辺に住む乳幼児を持つ母親たちです。被験者の居住地域は次の通り。
福島県3名(福島市・棚倉町)、宮城県1名(白石市)、茨城県4名(つくば市守谷市など)、千葉県1名(柏市)。

 つまり、このネットワークがそもそもは、もともとが福島原発に反対する市民運動家の中で誕生したという経緯があるということである。こうなると、疑ってはいけないが、原発反対の立場からこのことが真実だとして政治的利用のためにサンプルが集められている、或いは恣意的にデータを見せているという可能性もあるし、最悪の場合は、それらの活動家の中での故意の操作というものもありえてしまう、その疑いが出てしまうということだ。
 このあたりが非常に悩ましいところで、本当のことであっても、こういう「色」がついてしまうことによって、真実が真実として受け取られにくいという状況が出来るのは、一番好ましくない。そう思って、じゃあこの村上喜久子代表とはそもそもどんな人なのか? どんな経歴の人なのかを調べてみた。
 すると。
 この村上喜久子さんは、「食と環境の未来ネット」という組織の運営委員の一人であることがわかります。この「食と環境の未来ネット」とは何かというと、もともとはより安全でおいしい牛乳を求めて発足した共同購入会ということで、最初は中部よつ葉会という名前の組織だったようですが、無添加の穀物や非GM、遺伝子組み換えでない食品や飼料を求める運動をしている傍ら、反原発の運動を泊原発などに対しても行っていたようです。
 また、遺伝子組み換え食物に対する反対キャンペーンでかなりの力を発揮していたこともわかりました。
 以下は2002年度のニュースから、その引用

 除草剤に耐性を持つ遺伝子組み換えイネの開発研究を進めていた愛知県は5日、同品種の商品化を断念すると発表した。遺伝子組み換え食品の安全性に不安を持つ消費者団体らが研究中止を求めていたことなどを総合的に判断したとみられる。米国の大手バイオテクノロジー企業のモンサント社と県との共同研究は、ほぼ完了しており、商品化は目前だった。
 同日の県議会本会議で小野寺健・農林水産部長が答弁した。小野寺部長は、モ社との共同研究を今年度で終了するとした上で「遺伝子組み換え技術習得という目的は達成した。商品化に必要な厚生労働省への安全審査の申請は行わない」と述べた。
 モ社の除草剤「ラウンドアップ」が国内外で広く使用されていることから、県は97年度から、同剤に耐性のある品種開発研究を同社と共同でスタートした。昨年度には農水省の環境安全性審査をクリアするなど、両社による遺伝子組み換えイネの研究は国内最先端という。
 しかし、消費者や生産者団体が「安全性に心配がある」「自然環境を破壊する」などと訴え、これまでに開発中止を求める署名約58万人分の署名を神田真秋知事に提出している。
 開発中止を求めてきた市民団体「中部よつ葉会」運営委員の村上喜久子さんは「米国で栽培された遺伝子組み換えイネが日本に輸出されるかも知れないが、県が撤退宣言したことで、新品種に信頼性に疑問がつくのでは」と評価した。

この他にも遺伝子組み換え大豆問題などにも関わっておられたようです。
 つまりは、消費者の権利と安全のために戦う、自然主義的な見地から原子力発電には一貫して反対運動をされていた方らしいという事がわかります。
 こうなってくると、この方の場合には、このニュースそのものが単なるデマということはないと思います。ただ、そうであればあるほどに、さきほど書いたようにそれがどこまで真実に基づいているのか、真実であったとしたら子供への危険性はどれくらいなのか、多少の誇張があるのならそれはかえって彼女たちの主張を損ねて信憑性を失わせてしまう結果になるのか、或いはプロバガンダになってしまっているだけなのか。そのあたりの真相をとても知りたいと思います。
 
 原子力発電所に反対する声が高まること自体は否定しませんし、現地の人の苦悩を思えば怒りにも共感します。
 でも、今回のこれはかなり衝撃的な内容だけに、くどくなりますが、すべてが真実だとしてそれは本当に危険なレベルの話なのか、乳幼児に対してどういうケアがいるのかはたまたいらないのか、という事を一刻も早くきちんと報道して徹底する必要があると思います。
 そうしないと、噂だけが一人歩きして、福島の人たちがより差別されたり、お母さんたちの心の不安が徒に高まってしまわないかと心配でなりません。
 たぶん、世間一般の人(自分も含めて)が一番最初に引用したニュースだけを見ると、暫定基準以下であったとしても、とにかく危険だ、福島や茨城には住めない、という風になってまた新たな風評被害が出てしまうと思うからです。
 今回のこれもそうですが、一つの衝撃的なニュースについて、徹底的に裏を調べるとなるとネットをフル稼働させて関連から関連を調べていくのも骨が折れますし、それが果たして信憑性がおけるのか調べるとさらに時間もかかりますし、そこまでしない人のほうがほとんどだけに、こういう衝撃的なニュースは、いろいろ調べた上で発表して欲しいなとも思います。
 (まぁ、緊急性が高い物の場合はそうはいかないんだろうし、センセーショナルなニュースの方が注目を集めやすいとマスコミはこぞって判断するんでしょうけれど、、、)



追記;この母乳のヨウ素検出の日にちは3月24とと30日の話ということで、、、いっとき高かったときの一時的な数値だったようです。