小説・漫画好きの感想ブログ

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広島平和記念式典あれこれ エノラ・ゲイパイロットのインタビュー

 広島平和記念式典にアメリカのルースさんが来たことについて、アメリカでは批判の声も上がっている様子。あちらの国ではいまだに原爆の使用は必要なことであったという認識をもっている人がまだまだ多いから、ある程度仕方がないことなのかも知れないが、戦争に関してわりきって物事を考えるアメリカと、そうはなかなか思えない、特に原子力爆弾は非戦闘員に対する攻撃であったことに力点を置く日本と、戦闘は戦闘で倫理ではなく国策のもとにあるという基本スタンスがあるアメリカではかなり認識に開きがあり、これは埋めきれないのだろうなと思う。
 翻っては、日本と韓国の関係も同じように永遠に相互理解は難しいのかも知れない。戦後補償の全ては両国政府の間で解決済みという立場の日本の主張と、それは自分たちには関係がない(知らないというのもあると思いますが)という韓国一般国民の主張の間には大きな差があり続けるのだろうなと思います。ただ、日韓併合百年の談話は非常に危険だと思うのでうかつなことを言わないように気をつけて欲しいです。

 下記抜粋は、10年前のインタビューだそうです。釈然としないんだけれど、、、戦争に対する考えが違うんだろうなぁ。。

米国の名コラムニスト、ボブ・グリーンが「人類史上最も暴力的な行為によって第二次世界大戦を終結させたパイロット」にインタビューできたのは1998年のことだ。男の名はポール・ティベッツ。
 B29爆撃機「エノラ・ゲイ」を操縦して広島に原爆を投下した機長は、耳に補聴器を付けた83歳の老人になっていた。重い口を開いた。「原爆を投下し、私は機体を旋回させた。地上に目を落とした。街はなくなっていた。もはや人影はなかった。あったのは…焦土だけだ」(「デューティ」山本光伸訳、光文社)。
 すさまじい殺りくと破壊だった。「世間は私に涙を流すべきだと考えた。残りの人生を泣きながら暮らすべきだと。彼らは理解していない」「あえて言おう。戦争には倫理など存在しないのだ。子どもを殺す。女を殺す。老人を殺す。それが戦争というものだ」。
 グリーンが尋ねる。原爆の惨禍に苦しんでいる人はあなたたちがもたらした破壊行為はどんな勝利にも値しないと考えているが、彼らは間違っているか?「間違っていない。当然とさえ思える…。だが私は彼らとは異なった立場であの日にかかわっていた」。
 ティベッツの愛車はトヨタだった。「気に入ったから購入した。何の含むところもない」。おかしな気分になりませんでしたか?「全くなかった。私は日本人に敵意を抱いたことは一度もない。われわれの敵は日本政府という体制だったのだ」。