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映画「借りぐらしのアリエッティ」 感想 ネタばれ・あらすじあり

 「借りぐらしのアリエッティ」。
 ひさびさに映画に行ってきて、今劇場をあとにしたのですが、、、うーん、期待ハズレもいいとこでしたねぇ。
 帰宅したらまた詳しく書くけど、ジブリ作品の中でもかなりワーストじゃないかなぁ。


 ということで、帰宅しましたのでちょっと書いてみますね。
 「借りぐらしのアリエッティ」、帰路つらつら考えてみましたが、やはり、失敗作ではないかと思わずにはいられません。
 ストーリー・内容そのものが、全くの前情報なしでテレビCMから想像できるストーリーから、一片たりとも予想外のことがないというのもさることながら、映画館で、しかも数年に一度のジブリ大作であるとするならば、あまりにも抑揚がない物語と見せ場の少なさと鑑賞後にひっかかるものがなさすぎという点で、「凡庸」の一言に尽きます。
 たぶん、これはジブリの映画としての原作のチョイスミスもしくは脚本の失敗だったのではないかと思います。
 不勉強にも、原作であるところのメアリー・ノートンの「床下の小人」を読んでいないので、実は原作とはストーリーが全く違うのかも知れません。しかし、映画で見る限りでは、この作品はNHKだったり、民放の一時間半くらいの月一放送くらいの子供向けアニメとして放送するには十分な内容だけれど、それ以上のものにはなりにくい作品だと思うのです。からだが弱い少年が療養にきた田舎町の小さなお屋敷。そこには妖精? 的な小人がひっそりと暮らしていました。彼らは人間に見つからないように暮らしていたのですが、少年にあっさりと見つかってしまいます。少年と妖精の娘はお互いを信頼しあうのですが、、、結局大人に見つかって、という感じで、、あらすじだけで話が進んでいって、あっけなくエンディングまでいってしまいます。これでは、映画館にお金を払って見に行っている身としては、ちょっとつまらないんですよね。
 映画館の大画面の迫力を生かした映画にするわけでもなく(主人公の少年・翔がアリエッティからすると巨人に見えるくらいのサイズなんだから演出次第ではもっとそのコントラストを生かせたと思うのです)、アクションシーンがあるわけでもなく、主人公かアリエッティにしろ翔にしろ、感情的な大きなうねりがあまりないままだし、、、で、非常に起伏の乏しいものになってしまっています。
 見つからないように生きる、、、はずの小人は物語の尺の関係かあっという間に見つかってしまうし、、、もっといえば全体的に感情の起伏が少ないキャラの多い仲で、家政婦のハルさんのキャラクターが妙に浮いてしまっているし(声が樹木希林なのはまぁ置くとして)、、言い出せばマイナス要素ばっかりになってしまいます。
 でもまぁ、あのストーリーでどう盛り上げるかと言われれば、盛り上げるような箇所がなく、だからこそ、選択ミスだったのではないかなぁと思います。これだったら、まだまだジブリ作品としては闇記憶として封印したい「ゲド戦記」(宮崎駿さんの息子さんが監督したものですね)の方がまだ映画としては見所があったと思います。もっと突っ込んで言えば、、、ストーリーの全く予想を裏切らない王道路線からると、、何故わざわざ原作としてこの作品を選んだかがわかりません。これだったら、日本独自の設定でオリジナルでやってもよかったのではないか、、、一般の小さな小人さんの話にしてもよかったのではないかと思ってしまいましたね。
 なんとかいいところを見つけてみようかと思いましたが、、、ありません。非常に残念ですが、テレビで放送されるならお子さんとかと一緒に見るならありだけれど、わざわざ映画館に行って大画面でみるほどではないと思います。「崖の上のポニョ」はかなり価値があったんだけれどなぁ、、、残念です。

 追伸、、、ジブリ作品といえば突っ込まれる声優に俳優を使うから云々という話ですが、、志田未来がどうこうとか神木隆之介がどうという感じはまったくなかったです。どちらも上手い下手が出るほどの台詞や感情の揺れがない脚本だったのであれ以上どうしようもないかと。。。


追記:2011年12月16日本日 金曜ロードショーにて、先週の「天空の城 ラピュタ」に続いてのジブリ映画として公開されていますが、皆さんのご意見はどうだったのでしょうね。