小説・漫画好きの感想ブログ

小説・漫画好きの感想ブログ

「朝日のようにさわやかに」 恩田陸著 感想

 オチがびたっとはまりきらない作品が多いけれど、それでも傑作が多い作家、恩田陸の文庫新刊です。
 今回は短編集ということで、いろいろなテイストの作品が十数本入っています。
 この人の場合長編では「六番目の小夜子」とか「光の帝国」とか「夜のピクニック」「月の裏側」「ネクロノミコン」みたいなむちゃくちゃ傑作もある反面、なんかすっきりとしない「真昼のつきを追いかけて」みたいな作品があるのでちょっとドキドキなんですよね。その中でも自分は学園物っぽい雰囲気のいくつかの連作が苦手なんですけれど、今回の短編集ではその同じ学園物の番外編みたいなのが凄く面白かったりするので不思議なものです。
 実際、作品にはあたりはずれが結構ばらけてあるような気が個人的にはするのですが、どれが気にいってどれがだめかはかなり個人的な好みによると思います。恩田陸が初めてという人にはお勧めしませんが、ファンなら間違いなく買いでしょう。

朝日のようにさわやかに (新潮文庫)

朝日のようにさわやかに (新潮文庫)