「夜の試写会」 S・J・ローザン著
ただいま戻りました。
なんだかんだと休みなく仕事は続きます。ワールドカップと仕事と読書。さてさて体力がいつまで続くことやら。今日あたりコメントレスもやってきますね。
リディアとビルの私立探偵コンビのシリーズ最新作。
今回は、ちょっと趣向を変えて短編集となっており、それぞれが活躍する話が七編収められています。このリディア・チンとビル・スミスのシリーズは一巻ごとに主人公が交代し、それぞれが語り手となるもともとが変化球なシリーズですが、今回は一冊の中でその変化が味わえるのでシリーズを読んだことがない人にこそお勧めかも知れません。
作品ごとに、リディアとビルが入れ替わりで主人公と語り手を勤めますが、それぞれのキャラクターが違うので事件のテイストも雰囲気も違うので作者の妙が味わえます。生意気でやんちゃで向こう意気が強い中国系のリディアと、大男で白人のまさにタフガイのビル、この二人のかけ合いも楽しいものです。
よく出来た作品が多いシリーズだけに、短編とはいいながら、「ただ一度のチャンス」などは正統派ミステリとして秀逸です。以下七編が収録作品です。
「夜の試写会」
「熱き想い」
「ペテン師ディランシー」
「ただ一度のチャンス」
「天の与えしもの」
「人でなし」
「虎の尾を踏む者」
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