小説・漫画好きの感想ブログ

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「無限の住人」26巻 沙村広明著

 無限の住人の最新刊です。
 今回は、逸刀流の別動部隊と、無骸流の後継部隊の六鬼との戦いが描かれています。神経戦、山の中のトラップを使った迎撃戦など、読みどころがたくさんです。あ。表紙はひさしぶりに百琳姐さんですが、実は彼女はほとんどでてきませんのでファンの皆さんは誤解なきよう。
 さて。それはさておき、今回読んで思ったこと。
 ストーリーそのものは言うほど進んでないし、物語的な大団円が近付いていることは間違いない中で、徐々に人が少なくなっていくんですが、それなのにどこかこの漫画はこのところ静謐な感じがします。このシチュエーション葉、ある意味「鋼の錬金術師」などと同じシチュエーション中ですが、何でしょうかね、あちらは緊迫と興奮がどんどん高まって行くのに対して、こちらもじりじりと最後が近付いてきて人がすくなくなって行っているのにどこか静謐な気配が漂っています。 
 どちらも、一人ずつが人間離れした力もあるし、戦争が続いているのですが、どうしてだかこちらは一つ一つの戦いも熱いにも関わらず、しっとりと進んでいきます。画風の違いなのかなんなのか、剣法家というようなくくりに、日本人であるこちらが様式美を見てしまいそれが静的なイメージを増幅しているのか。このあたりは一回いつかゆっくりと暇な時に考えてみたい問題です。
 

無限の住人(26) (アフタヌーンKC)

無限の住人(26) (アフタヌーンKC)