小説・漫画好きの感想ブログ

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「バチカン・エクソシスト」トレーシー・ウィルキンソン著

 際物のホラーでも、伝奇ものでもなくて、純粋にルポルタージュな一冊。
 ローマ法王が統べるローマ・カトリック教会では、悪魔払いは今現在でも認められている正式な儀式であり、教会公認のエクソシストが活躍していると言われたらあなたは信じますか?
 どうやら本当らしいです。
 悪魔を払うべくエクソシストが活躍。つまりは、悪魔を実在の存在であり、戦うべき相手としている人たちがたくさんいて、ローマ法皇がそれを認めている。。。。日本人には信じがたいことながら、イタリアをはじめあちらではエクソシストに悪魔払いを依頼する人が近年ますます増えているんだとか。
 ただ、カトリックのすべてがそれを受け入れているわけではなく、悪魔憑きは単なる精神的な問題ではないかと思う一派もあり、精神医学にそれは任せるべきという一派もいます。現代社会のこととて、どちらかといえばそれが多数派であるように見えますが、その逆に、聖書が真実であるならば、神が実在するように悪魔はリアルな存在として存在する、悪魔が世の中に悪の種子をばらまいていると考える人々もかなりの割合でいるというのは日本人にはなかなか信じにくいことではないだろうか。
 まぁ、キリスト教の世界ではいまだにファンダメンダリストな人たちがたくさんいて、アメリカの多くの州ではいまだに天動説が主流で、ガリレオの教えを教えてはならないし、ダーウィンの進化論を信じていない人も多数いるのだから、無理もないといえば無理もないのだけれど、なんだかとても不思議な気がします。
 
 まぁ、今朝のニュースでイランのイスラム教徒のお偉いさんが「大地震が多いのは肌を隠さない女性が増えているせいだ」と言っていて波紋が広がっているというのがあったくらいだから、宗教が絡むと、そういうのはあるのでしょうけれど、なんともはや不思議な話です。
 
 ちなみに、トリビア的なネタですが、映画の「エクソシスト」あれにでてきた四人の神父さんのうちの二人はれきとしたローマン・カトリックの神父で、あの映画はバリバリに法王庁のお墨付きで技術指導・研修を受けた公式の映画であったんだとか。
 ひょっとしたらオーメンも? とちょっと怖くなりました。

バチカン・エクソシスト (文春文庫)

バチカン・エクソシスト (文春文庫)