「若き魔道士」 菊地秀行著 感想
ドクターメフィスト・シリーズの最新作です。
少し前に読んだものの感想のアップを忘れておりました。
魔界都市新宿のドクター・メフフィスとのもとへ、彼の兄弟子達がやってきた。師匠であるドクトル・ファウストからの指示で、監獄から脱獄した魔道士たちが新宿へと逃げて来たからだ。しかし、逃げ出した敵はあまりに強く、いかにドクター・メフィスト達の兄弟子たちといえど勝てるものかどうか。虜囚討伐のために遅れてやって来た若き魔道士フランツも、見習いとはいえ凄腕の魔道士だが、それとてもどれほどの戦力たるのか。メフィストからすればどうでもいい話にしか過ぎないものの、兄弟子たちの頼みとあればやむなく協力するメフィストだが。。。。。
感想。シリーズこそドクターメフィストシリーズではあるものの、主人公はこの遅れて来た若き魔道士ことフランツくんでした。どうやら彼はドクター・メフィストの代わりに師匠のファウストの跡を継ぐべく嘱望されている魔法使いのようなのだけれど、、いかんせん、主人公となるには器量不足、盛り上がりも結末もあまりしまらない一冊になりました。
最大の見せ場が、このドクター・メフィストの想い人である「あの人」の登場だというのですから、どうにも。過去の「夜叉姫伝」や「魔王伝」のような、メフィストや秋せつらが苦戦しまくるような強敵、厚みのあるキャラクターが大量に出てくる作品が読みたいなぁと切に願います。
菊地秀行さん、まだまだあなたの実力はこんなものではないはずだよ。
- 作者: 菊地秀行,末弥純
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2009/08/29
- メディア: 新書
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追記。本作では「魔道士」は魔道士の統一表記ですが、他作品では魔道師だったり、魔導士、魔導師など表記の揺れが色々と出て来ますね。これ、栗本薫さんではないですが、誰か統一してくれないかなぁ。