小説・漫画好きの感想ブログ

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「友達100人できるかな?」 とよ田みのる著 感想 

 とよ田みのるさんの新作漫画の第一巻です。
 とよ田みのるさんと言えば、デビュー作の「ラブロマ」で高校青春ラブロマンスをきっちりと描いてくれたイチオシの漫画化さんだけに、今作はどんなものだろうと期待してみたら、今回は今回でこれまた新しいコンセプトの連載作品でした。
 どんな風に新しいかというと、タイトル通りに「友達を100人作る」ことがテーマとなった小学生ものなんですが、内容がひとひねり効いていて、なんと主人公は30代半ばで自分の赤ちゃんが生まれたばかりの小学校教諭が自分の過去の小学校時代に飛ばされるというもの。彼は、その時代に戻って、友達を100人作らなければならなくなるというのが、メインストーリーです。
 しかも、どうしてそんなことをしないといけないかというと、ある日宇宙人が大々的に地球に侵略して来て、もうあと数時間で地球が征服されてしまうという時に、宇宙人からある試験を持ちかけられるところから話は始まるのですが、かいつまんでいうと彼ら宇宙人のルールとして、その惑星の住民に「愛」があることが証明できれば侵略できない事になっている。なので、サンプルを一人(これが主人公)選び、彼が友達100人を作ることができるならば地球侵略はしないという話をもちかけてくるのだ。成功すればいいけれど、失敗したらその時点で地球は宇宙人のもの。
 そういうシリアスな状況なんですが、過去へ飛ばされる主人公も事態が事態のわりにはマイペースだし、彼の監督役としてついてくる宇宙人も人間とは違うメンタリティーの持ち主とあって、そういうタイムスリップものSFものでありながら、どこかほのぼのとしていてギャグ作品のようにも仕上がっていて、とても面白いです。あくまでメインの話は「友達100人できるかな?」なんだけれど、一話で一人ずつ友達を増やしていく今のようなペースでは一体完了までに何年かかるんだろうという感じですが、前作「ラブロマ」もそうでしたが、ゆったりとした微笑ましい雰囲気の作風の漫画家さんなんでゆっくりと描かせてあげていい形で堂々完結までもっていって欲しいです。
 掲載誌がちょっとマイナーですが、子供さんにも人気が出るような作品なんで、大ヒットしてくれたら嬉しいです。

友達100人できるかな(1) (アフタヌーンKC)

友達100人できるかな(1) (アフタヌーンKC)

 追記:友達100人できるかな? というのはよく小学校で歌った歌でもありましたよね? 違いましたっけ?